峠おやじの「たわごと」

峠、自転車、キャンピングカー、野菜、園芸、時事ネタなどをぼやいてます。

恋人地名

2017年03月06日 | 
日本全国に恋人たちの聖地とされるところはあちこちにあるようです。

なかでも固有名詞にまでなった恋人岬は伊豆と柏崎にありますが、どちらも後から改名されたものだそうです。

そこで徳島に行ったときゲットしたのが「恋人峠」です。



正真正銘の「恋人」地名です。峠の案内板には平家の公達との涙の別れとの言い伝えがあるとされています。「恋人峠」を「こいびととうげ」と読むのなら、ありそうな話です。しかし橋の名前を見てください。



「こいとばし」です。だからここは「こいととうげ」なのです。「こいと」と呼ぶ地名に「恋人」という漢字を当て字したため、喜んだのが後世の好事家です。漢字の字面から膨らむ妄想は限りないですね。平家の落人伝説で有名な祖谷渓が奥に控えているだけに平家の公達を持ち出してきたのには笑っちゃいました。

この手の話はよそにもあります。埼玉県の顔振峠(ごうぶりとうげ)。義経主従が絶景のあまり顔を振り振り登ったという言い伝えがあるそうです。でもそんなに都合よく義経が来るはずがありません。尖った山の「かあぶり」が訛った説が有力のようです。このように東国では義経、西国では平家が人気ということでしょう。



「こいと」で思い出すのは落語「立ち切れ線香」。ヒロインの名前が「小糸(こいと)」です。ほかには「小糸製作所」でしょうか。ほかに名詞では大阪弁で「いとさん」。これは「幼児とか娘さん」。直訳すると「小さな娘さん」のようです。なんかイマイチわからないですね。

「恋人橋」が架けられた地点には色んなモニュメントがあります。しかし「恋人洞門」の下流にあるオーバーハングした崖はさすがに凄いです。そしてその下流に「恋人峠」の看板が設置してあるし、「恋人峠」のバス停はもっと下がった所にありました。

この辺りでしょうか? 穴吹川対岸の中腹に蔭四合地(かげ しごうじ)という集落があります。すでに廃村になったようですが、このサイトによりますと
『国道から恋人(こいと)橋を渡り、林道を進むと集落に到達。』
とあります。文脈から類推すると国道にある現在の恋人橋ではなく、穴吹川にかかっている橋と思われます。2.5万図でも確認できますよね。つまり現在の恋人橋は後から作られたもので、本来の「恋人(こいと)」地名は谷底あたりのように考えられます。それでは「こいと」はどういう意味かと問われてもわからないのが残念です。


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コメント (4)
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