羽後本荘駅は、駅舎には由利高原鉄道の表示はありませんが、JR東日本の羽越本線と、由利高原鉄道の鳥海山ろく線が乗り入れる接続駅となっています。
由利高原鉄道鳥海山ろく線は、昭和60年に第三セクター化されるまでは、こくてつ矢島線だったため、島式ホーム2面4線のうちJRが1・2番線(第1ホーム)と3番線(第2ホーム)を使用し、由利高原鉄道が4番線(第2ホーム)を使用しています。
ホームは共用していますが、出札窓口・改札口は別で、それぞれ社員が常駐しています。
由利高原鉄道の改札口で、おばこ姿のアテンダントが受け付けています。
定期列車に1両増結する形で、落語列車は運行されます。
この定期列車に使われている車両はYR2001号車で、秋田県にかほ市象潟町出身の木版画家 池田修三氏の作品をラッピングした車両です。
落語列車に使われる車両はYR2002号車で、平成27年11月3日に埼玉県立川越工業高校電気科電車班の生徒が製作し、ギネス記録に挑戦し成功した、単1形乾電池エボルタ600本を動力に走った「エボルタ電池鉄道」のラッピングです。
今日3月11日から20日までの10日間、本荘地域・矢島地域、岩城地域、大内地域、由利地域計5地域の施設や個人宅などでお雛様を展示・公開する「由利本荘ひな街道『町中ひなめぐり』」が開催されています。
それに合わせ、由利高原鉄道の全車両はアテンダントの手作りでおひな様の装飾が施されていますが、メインとなる「おひなっこ列車」に使用されるのはこのYR2002号車です。
「落語列車」は各駅に停まって、39分かけて矢島駅に向かいますが、この車両のドアは開きません。
羽後本荘 12:54発
薬師堂 12:57着 12:57発
子吉 13:00着 13:01発
鮎川 13:05着 13:06発
黒沢 13:09着 13:09発
曲沢 13:11着 13:11発
前郷 13:14着 13:15発
久保田 13:18着 13:18発
西滝沢 13:21着 13:22発
吉沢 13:24着 13:25発
川辺 13:29着 13:29発
矢島 13:33着
桂 三河さんは、吉本興業が企画したあなたの街に住みますプロジェクトの、秋田県の「住みます芸人」3代目として活動しているそうで、秋田県の方にはなじみがあるようですが、桂三枝改め6代目桂文枝師匠のお弟子さんです。
大阪出身の三河さんは、秋田に慣れてきてたものの、本人曰く「秋田に慣れてきて慢心していて、昨日秋田に来て初めて凍った道で転び、おしりを痛めてしました。」と言うことで、揺れる列車で落語をするのは初めてに加え、その震動もつらいとのことでした。
往路は、小咄をいくつかやった後に、桂三枝作の創作落語「お忘れ物承り所」の一席でした。
話の筋は、駅の忘れ物承り所に車内に忘れ物をした人が訪ねてきて、駅員とやり取りするものでした。「傘を忘れた男」「300万円の小切手を失くしてしまった男」「かにを忘れた男」が登場します。
オチは、駅員が家に忘れてきたお弁当を届けに来た妻が、お昼に間に合ったと喜ぶ駅員に「電車にお弁当を忘れてしまった」というものです。
途中、つり手につかまりながらの一席でした。
矢島駅では2時間ほど時間があります。
このツアーには、矢島地区の有料展示会場6ヶ所を期間中何度でも見学できる絵馬の形をした「矢島ひなめぐり券」が付いていますので、6ヶ所を巡ります。
【①天寿酒造】
玄関を入ると現代雛が迎えてくれます。
奥へ進むと古今雛が飾られています。
【②大井家】
おひな様だけでなく、屏風も見事でした。
大井家の雛飾りは享保雛。男雛の上には御簾が下がっています。残念ながらピンぼけの写真です。
【③旧佐藤政忠家】
ここには、藤田家のおひな様、生駒家の家臣の家柄のおひな様、土人形が飾られています。
途中の水路で、ふきのとうを見つけました。
【④八森苑・道益苑】
ここには、佐藤家・中村家・木村家・小野家・真坂家のおひな様が多数展示しています。
【⑤武田家】
武田家は、かつての「玉泉」の酒蔵でしたが、今は廃業しています。
【⑥佐藤酒造店】
佐藤酒造店は、「出羽の富士」の蔵元です。
ここにも雛飾りだけでなく、ヤナギの枝に縁起物の布細工をつるした「矢島柳飾り」が飾られています。
復路も落語を聞いていきます。
矢島 15:50発
川辺 15:54着 15:54発
吉沢 15:58着 15:59発
西滝沢 16:01着 16:02発
久保田 16:05着 16:05発
前郷 16:08着 16:11発
曲沢 16:13着 16:14発
黒沢 16:15着 16:16発
鮎川 16:19着 16:19発
子吉 16:24着 16:24発
薬師堂 16:27着 16:28発
羽後本荘 16:31着
お色直しをしての登場です。
演目は、桂三枝作の創作落語「真心サービスおじんタクシー」です。
あるタクシー会社では高齢者の方が出勤率がいいし、運転が粗くなくていいということで、65歳以上の運転手を採用しています。 ある日の点呼・点検の場面です。
大きな声を出さないと自分の名前が呼ばれていることに気がつかない運転手さんは、なかなか話が通じません。乱暴な運転をされたとクレームがきたので、何かストレスでもあるのかと聞くと、息子の嫁ともめているということです。
浪曲が趣味の運転手は浪曲が趣味で、運転中に歌ってうるさいとクレームが来ていると言うと、人前で歌わなければ芸が磨かれないといいます。
体調に問題のある運転手に4時間おきに持病の薬を飲むのを忘れないようにと注意すると、忘れないうちに朝のうちに全部飲んでおきましたといいます。
オチは「健康のためにはタクシーに乗らないで歩きましょう」といったところです。
最後は、お土産を頂きました。
矢島で評判のお菓子屋さん、山口菓子店の「雛まんじゅう(酒まんじゅう)」。ひなめぐりの期間だけ販売する貴重なものだそうです。
乗車記念切符。
そしてアテンダント手造りのおひな様のしおり。
このあとは、羽越本線・奥羽本線・青い森鉄道をひたすら乗り継いで帰ります。
羽越本線 普通 秋田行
羽後本荘 16:38着 16:41発
羽後岩谷 16:46着 16:47発
折渡 レ
羽後亀田 16:53着 16:57発
上り「特急いなほ14号」新潟行が遅れているため、3分ほど遅れての発車になりました。
岩城みなと 17:02着 17:02発
道川 17:04着 17:05発
下浜 17:10着 17:11発
桂根 レ
新屋 17:17着 17:17発
羽後牛島 17:21着 17:21発
秋田 17:25着
秋田駅には、遅れを回復しないまま3分遅れで到着しました。
奥羽本線 快速 弘前行
乗り継ぎを待って、2分遅れで発車しました。
秋田 17:30発
土崎 17:36着 17:37発
上飯島 レ
追分 17:42着 17:43発
対向列車待ち合わせのため、3分遅れて発車しました。
大久保 17:49着 17:50発
羽後飯塚 レ
井川さくら 17:54着 17:54発
八郎潟 17:58着 17:59発
鯉川 レ
鹿渡 レ
森岳 18:13着 18:17発
北金岡 レ
東能代 18:25着 18:26発
鶴形 レ
富根 レ
二ツ井 18:38着 18:39発
前山 レ
鷹ノ巣 18:48着 18:49発
糠沢 レ
早口 18:56着 18:56発
下川沿 レ
大館 19:04着 19:05発
白沢 レ
陣場 レ
津軽湯の沢 レ
碇ヶ関 19:22着 19:23発
長峰 レ
大鰐温泉 19:29着 19:30発
石川 レ
弘前 19:40着
2分遅れで到着しましたが、青森行は定刻の発車です。
奥羽本線 普通 青森行
弘前 19:45発
撫牛子 19:48着 19:48発
川部 19:51着 19:52発
北常盤 19:55着 19:56発
浪岡 20:01着 20:02発
大釈迦 20:06着 20:07発
対向列車待ち合わせのため、3分遅れて発車しました。
鶴ヶ坂 20:12着 20:13発
津軽新城 20:17着 20:18発
新青森 20:20着 20:21発
青森 20:27着
遅れが回復しないまま、3分遅れで到着しました。
青い森鉄道 普通 八戸行
乗り継ぎを待って、2分ほど遅れて発車しました。
青森 20:31発
筒井 20:36着 20:36発
東青森 20:38着 20:38発
小柳 20:40着 20:41発
矢田前 20:43着 20:44発
野内 20:46着 20:46発
浅虫温泉 20:51着 20:52発
西平内 20:57着 20:57発
小湊 21:00着 21:01発
清水川 21:06着 21:06発
狩場沢 21:10着 21:10発
野辺地 21:15着
到着は定刻でした。
【おまけ】
「東北ローカル線の旅7~由利高原鉄道鳥海山ろく線終点 矢島駅へ」で紹介した、矢島駅売店「まつこの部屋」のまつこさん。なんと下北出身。
今でも下北に帰るときは、一人で運転した帰るとのことでした。
そのことを知ったのは、最後の最後、到着間際でしたので、お話しする時間がありませんでした。
前回も、今回も、鳥海山が姿が現してくれませんでしたから、また乗りに行きたいと思います。
その時には「まつこの部屋」によって、お茶を頂きたいと思います。
おしまい