旅の窓

平凡ながら列車の旅が好きで、その様子を紹介しています。
『閑雲野鶴日記』は日々の自由気ままな生活の記録。

2017夏「東北 地方鉄道の旅」4 いわき駅から常磐線を北上 浪江駅途中下車

2017-08-14 17:44:28 | 2017夏「東北 地方鉄道の旅」
 8月4日。今日はいわき駅から常磐線に乗って北上します。


今日の朝食はホテルの無料バイキングです。


 いわき駅は1897年(明治30年)、当時の磐城線が水戸駅から延伸して平駅として開業した駅です。
 1966年(昭和41年)の大合併で当時の平市がいわき市となりました。しかし、駅名は平駅のままでしたが、1994年(平成6年)いわき市などの要望により、いわき駅に改称しました。






常磐線 普通 竜田行


 7月22日から、「特急スーパーひたち」「特急フレッシュひたち」に使われていた651系電車が使われているそうです。


 そのため、水戸始発がいわき始発に変更になり、9時頃ホームに入ってきました。




 シートは、折り返し運転を想定して向きあわせのボックスに設定してあります。


 荷物置き場だったところには、簡易トイレと非常用階段はしごが置かれています。


いわき           09:22発
 いわき駅を出ると夏井川を渡り、田んぼの中を進むと草野駅に着きます。




草野       09:27着 09:28発
 草野駅には留置線があり、いわき駅発着の普通列車の夜間留置が行われるとのことです。


 駅前には、初めて聞く「老人内科」の看板も。


四ツ倉      09:31着 09:32発
 四ツ倉駅を過ぎると波立海岸が見えてきます。


久ノ浜      09:36着 09:36発
草野駅にもありましたが、久ノ浜駅の煉瓦造りの保管庫も現役のようです。


末続       09:39着 09:40発
 無人駅ですが、花がきれいに咲いています。

 
 天気が良ければ、真っ青な海原を見ることができるのですが、曇天です。


 「…トンネルのやみをとおってひろのはら…」(文部省唱歌「汽車」)の「ひろのはら」はこの辺をうたったという説もあります。




広野       09:44着 09:44発
東京電力広野火力発電所の煙突が見えます。


木戸       09:49着 09:49発
 木戸駅は、福島第一原子力発電所事故間では有人駅でした。
ホームには田岡城(木戸城) をイメージしたお城のオブジェが昭和42年、職員の手造りによって作られました。
 以前通ったときにはかなり老朽化していると見えたのですが、今回はきれいにお色直しもされています。
 聞くところによると、2011年(平成23年)の東日本大震災では倒壊はしなかったものの、劣化が進み、見るに堪えない状態だった物を2ヶ月ほど掛けて修復したものなのだそうです。


 至る所で、除染土の仮置き場をみるようになってきました。


竜田        09:54着
 ここで列車の旅は途切れます。
常磐線は、福島第一原子力発電所事故の影響で、竜田駅-富岡駅-夜ノ森駅-大野駅-双葉駅-浪江駅間は、未だに普通です。
 竜田駅・富岡駅間は今年2017年(平成29年)10月21日運転再開予定ですが、富岡駅・浪江駅間は2019年度(平成31年度)末の予定となっています。




 代行バスは一日上下各11本。内原ノ町駅直通1本、竜田駅・浪江駅間1本。つかまり不通区間の浪江駅まで行くのは1日2本。他は、不通区間の途中富岡駅までです。


常磐線代行バス 7便 原ノ町行


 運行は浜通り交通(株)に委託されているようです。
 添乗員も乗っています。


竜田       10:05
 ほぼ満席の38名が乗車し竜田駅を出ると、途中駅の到着時刻やシートベルトの着用などのお願いの後、「帰還困難区域を通行するので、窓は開けないように」との注意がありました。
その後、モニターが降りてきて現在地と車内の空間線量率などが表示され始めました。


 福島第二原子力発電所の煙突が見えます。


 ショッピングモールも営業しており、一見して普通の町並みです。


 しかし、まだまだ福島第一原子力発電所事故の処理作業は続いています。


富岡       10:25
富岡駅は東日本大震災の津波で被害を受け、さらに駅周辺は福島第一原子力発電所事故以降、警戒区域から避難指示解除準備区域に移行したのち、2017年(平成29年)4月1日に避難指示が解除されました。
 現在は、10月21日竜田駅間での運転再開にむけて、工事が続いています。


 富岡駅から1名乗車し発車しました。
ここで添乗員さんはマスクを着用しました。
 発車して3分ほどで、帰還困難区域に入ります。
この先浪江駅までの間には、夜ノ森駅・大野駅・双葉駅がありますが、帰還困難区域に指定されて立ち入ることが出来ません。代行バスも浪江駅まで直行します。


「自動二輪車、原動機付自転車、軽車両、歩行者」が通行できないことから、バスの窓は開けないで下さいという意味が分かったような気がします。


 許可を受けた車以外制限区域に入らないよう、至る所に警備員がいます。


 脇道は勿論、個人宅の入口にもバリケードです。


 福島第一原子力発電所が近づいてきました。
 車内の空間線量率も高くなってきました。


福島第一原子力発電所です。


帰還困難区域を過ぎると、放射線率も低くなりました。


浪江       10:55


定刻より3分ほど早く到着しました。
 ここで、途中下車です。私たちの他にも2名ほど下車しました。


 駅前には「高原の駅よさようなら」の歌碑。


 そして、タクシー1台とデマンドタクシー1台が停まっていました。




 町を歩いてみました。
作業用のトラックは見ますが、歩いている人を全く見ません。




 郵便局が営業していたので立ち寄りました。
風景印の図案は、名産・大堀相馬焼と高瀬川渓谷です。


 歩いて15分ほどの所に立派な町役場があります。


 役場の隣には、避難指示解除に向け平成28年11月から始まる準備宿泊を前に10月にオープンした、浪江町仮設商業共同店舗施設「まち・なみ・まるしぇ」があります。
飲食店やコインランドリー、コンビニなど10店舗が入っています。


 今日の昼食は、ここに店舗のある「浪江焼麺太国アンテナショップ」で、2013年(平成25年)に開かれた第8回B-1グランプリで1位になった「なみえ焼そば」です。
 「なみえ焼そば」は、約50年前、労働者のために食べ応えと腹持ちをよくするために考えられたとされています。内容は、通常の約3倍もある太い麺、濃厚ソース、具は豚肉とモヤシだけです。(写真は、並盛り500円です。)


 浪江駅に戻って、北上を続けます。

 つづく

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