的場徹監督の特徴は

 ウルトラセブンの10話・怪しい隣人に登場するイカルス星人は
三次元空間と四次元空間を行き来しながら攻撃してくる恐るべき敵
だったし、星人自体も全身からアロー光線を発射して周囲を焼き尽
くすなど意外な強敵だった。

 このアロー光線で焼き尽くされた山の映像などが後から見直すと
秀悦だったわけだが、この映像を撮影したのはセブンから復帰した
的場徹氏である。

 的場徹はウルトラQの後半からウルトラシリーズに参入し特殊技
術を担当していたわけだがウルトラマンでは最初の製作3話・バル
タン星人編やグリーンモンス編にネロンガ編までを担当した後は、
快獣ブースカに移動していたようでウルトラセブンからウルトラに
復帰していた。

 ウルトラセブンはエレキング編とワイアール星人編からスタート
して2番目のペガッサ星人編とゴドラ星人編を東宝の有川貞昌が
担当すると、クール星人編とビラ星人編を挟んで作られたキュラソ
星人編とイカルス星人編を的場徹が担当している。

 キュラソ星人編ではホーク1号の3機強制合体シーンが印象深い
のに対し、イカルス星人編ではアロー光線による焼け爛れた山肌の
シーンだろう。

 またチブル星人編ではアンドロイド少女・ゼロワンがマネキンか
ら人間体になるシーンや、星人がエメリウム光線を浴びてボロボロ
になっていくシーンが印象深いわけでメインで活躍する高野宏一と
は一味違った映像を作っていた。

 つまり巨大ヒーローと怪獣との格闘戦よりも細かい描写に味があ
るわけで、等身大のチブル星人編などの方が的場氏の魅力が光るの
ではないかと思うのだ。

 だからセブンの後番組となった怪奇大作戦では26話中半分近い
12話を担当したのではないかと思うのだ。

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