最終クールに入ったミラーマンは40話と41話が前後編になっていて、これが
最終EP前の最後の前後編モノだ。
今回のEP‘インベーダー移住作戦’&‘謎の異次元怪獣’はSGMの女性隊員・
野村由起がインベーダーに絡むだけでなく、途中からインベーダーのバスに乗り
合わせてしまい結果的に拉致されて人質になってしまう内容でメインキャラに
なっている。
そして前半では曖昧だったインベーダーの狙いが地球への移住を狙っていた
というのが徐々に判明してくる。
40話のインベーダー移住作戦は妨害電波のためにレーダーが使えずにイン
ベーダーの宇宙船の着陸を許してしまったため着陸地点が一望できる洋館に
由起が乗り込んで見張っていたら受話器から赤いガスが噴き出して昏倒する
など2話の侵略者は隣にいるを髣髴させる。
また41話ではマンションの部屋がインベーダーのコントロールセンターになって
いるというのも2話と同じだし、異次元空間に人質になった由起が囚われている
バスという設定は3話の消えた超特急を思い出す。
実は このEPは共に若槻文三の作品。
若槻文三は1クール目のメインライターでインベーダーの侵略理由を あえて
曖昧にして不気味さを強調していた。
つまり以前も記したように若槻作品は1話のウラン鉱脈を狙って大旋風を起こし
たかと思うと2話では高台にある高層マンションを占拠し侵略拠点にしようと
したし、3話では特殊レーダーの開発者を拉致して防衛計画を妨害すると同時に
人質に取る事でミラーマンの命も狙うというもの。
さらに10話では重力マシンを完成させて波岡市の時間を停止し大型宇宙船を
迎え入れようとする。
これら4つのEPで使用された中で‘マンションの一室を攻撃拠点にする’
‘人質を拘束した乗り物を異次元空間に閉じ込める’‘宇宙船の迎え入れ’という
3つの要素が今回の40話&41話でも使用されているというのが特徴だ。
そして初期のメインライター・若槻文三にとって今回のEPがミラーマンの設定に
絡んだ大作の最終作品になったのである。