企業名は除外=36チームの名称発表―バスケットBリーグ
今年の9月から開幕する男子バスケットボールのBリーグは全36
クラブの「呼称」から企業名を外して開催する事を決定したと
いうニュースが載っていた。
これは大英断でバスケット界最大の元凶だったJBLとBJリーグの
対立の原因も、ここらあたりだったので体制が変わるとここまで
変わるのかと実感するものである。
日本のスポーツが学校体育と企業アマに支えられてきた事により
発展してきた事は百も承知だが、このシステムはあらゆる競技が
プロ化すると対応できずに日本スポーツ界低迷の元凶になっていた
のを打破したのが川淵三郎氏が率いたJリーグである。
ヨーロッパのクラブシステムを範にした地域に密着型スタイルは、
それ故これまで企業スポーツにどっぷりと浸かり恩恵を受けていた
読売グループのトップあたりには異質のものとして反発も強く、
一時は両者の対立がマスコミを賑わす事もあったのだがサッカーが
このスタイルで長足の進歩を遂げたのに対し正反対の価値観である
野球の経営としての進歩は頭打ちになっているのが現状だ。
確かに一企業の持ち物として発展させていくのは日本の景気が右
肩上がりだった時代は最適なシステムだったが、景気が悪化すれば
真っ先に強化を打ち切られ廃部の憂き目に遭っていたのを地域密着
のクラブシステムなら回避できる。
企業名を外す事に消極的と見られていたバスケットボールが、ここ
まで思い切った事をするとは思わなかったが現状の企業スポーツでは
レベルアップには限界があるのは火を見るより明らか。
残念ながらバスケットボールはサッカーと違い世界との距離は絶望
的に遠いのが現状ではあるが、野球・サッカーと並び学校体育の部活
では人気御三家競技というアドバンテージを生かして多くの選手達の
受け皿になる事はできるわけだ。
確かに五輪や世界選手権での活躍は厳しいかもしれないがバスケット
文化を芳醇にするのに企業名外しは必要不可欠だったし、バスケット
文化の豊潤なくしてレベルアップはありえないのでBリーグの英断には
拍手を送りたい。