ソチ五輪、メダルを取らせてあげたかった選手は? - 高橋大輔もランクイン(マイナビニュース) - goo ニュース
早いものでソチ五輪のフィギュアスケート女子シングルのフリーから
1週間が経ち、浅田真央が渾身の演技を見せてSPの16位から6位
まで順位をアップさせたのが今でも今大会の名シーンの中でトップ3に
入るのではないだろうか。
ただ浅田自身‘演技を失敗して取ったバンクーバーの銀メダルより、
今回の方が嬉しい’というコメントを聞いて浅田にとって金メダルは
厳しかったのかもと思ってしまう。
というのも採点競技では審判の好みが勝敗に左右される傾向が
強く、素晴らしい演技をしたからといって勝てるとは限らない。
思い出すのが84ロス五輪で体操への理解度に今ひとつ欠けるロス
の観客は難易度の高い技を披露しても反応はイマイチなのに対し、
難易度は低くてもダイナミックに見えて着地をピッタリ決めると
場内が大歓声に包まれ審判達に高得点を与えるようプレッシャーを
かけていた。
そこで具志堅幸司と森末慎二は難易度の高いオリジナルの技を
封印して後方伸身宙返りで着地をピッタリ決める事に専念し10点
満点を出して金メダルを獲得したのだった。
つまり金メダルを取るためには4年かけて準備した自分の技を披露
しない勇気も必要なわけで、トリプルアクセルを含めた3回転ジャンプ
を全て決めるプログラムに拘った浅田の姿勢とは対極にあるものだ。
アスリートには‘練習で長い間培ったものを試合で全て出し切れば
勝てるし、勝てなくても納得する’というタイプと‘どんな形でも勝ちに
行く’というタイプに分かれる。
採点競技をはじめとした勝負事では後者のタイプが勝つ確率が高い
のは言うまでもないが、浅田のような前者のタイプも絶対必要でサッカー
で言えばオランダやスペインのようなもの。
オランダやスペインが自陣に引いてカウンターで戦って勝っても本国の
ファンだけでなく世界中のファンが評価しないのと同様、最も難易度の
高いプログラムに拘ったから浅田がメダルなしでも世界中から高い評価
を受けたのは言うまでもない。