ガメラ対ギャオス レビュー

 今週はWOWOWでガメラシリーズが特集されておりガメラ対バル
ゴンに続き、昨日は昭和ガメラの最高傑作ともいうべきガメラ対ギャ
オスがOAされた。

 個人的にもガメラ対ギャオスが最高傑作と思うのはバルゴンでも描
かれたエゴ丸出しの人間の業と怪獣騒動が絡んでいくという設定に、
ガメラ好きの子供が登場して物語の核を担うわけで東宝のゴジラシリ
ーズではあまり見られない展開だろう。

 高速道路の土地買収反対を口実に立ち退き料を吊り上げようと企む
金丸村長以下の村人達の存在が妙に生々しいのだが、結果的に牧場を
経営している者は家畜がギャオスの出現で逃げ出したりギャオスから
捕食されるなど相当な被害を被った上にギャオス騒動で高速道路の
コースが変更されそうになるなど正しく踏んだり蹴ったりの状態に
なる。

 また特ダネを取るため村長の孫である英一少年に案内させて洞窟
を探査しようとする新聞記者が洞窟が崩れ始めると、英一少年を見
捨てて逃げるものの最初にギャオスから捕食される被害者になるな
ど対バルゴン同様‘悪い事をする人間が酷い目に遭う’という展開
だ。

 自衛隊の作戦も最初は洞窟を爆撃するがギャオスの超音波メスで
次々と撃墜され戦車での砲撃も通じなかったがガメラとの第2ラウ
ンドで日光による紫外線に弱いというギャオスの弱点が判明し、人
工血液をエサにギャオスを高速回転させる作戦やガメラを呼ぶため
の山火事作戦を行なう。

 回転作戦は変電所の機械がオーバーヒートして火事になって失敗
したのだが、山火事作戦では山火事を起こすだけではギャオスの腹
部から発射する消化剤で鎮火されていたもののガメラを呼ぶ事には
成功し超音波メスへの防御法を修得したガメラが最終的にギャオス
を火山に引きずり込んで倒すという結末。

 首筋に噛み付き火山に引きずり込んで最後に超音波メスが途中ま
で断末魔として出てから消えるというのは、前作でもバルゴンの首
筋に噛み付いて琵琶湖底に引きずり込み最後に虹が出てくるものの
消えるというパターンの踏襲だ。

 子供の味方というゴジラシリーズにはない設定が初めて前面に出
て作品に彩を加えているし対バルゴン同様にエゴ丸出しの人間ドラ
マと上手く融合しているのだが、そういうキャラの代表である金丸
村長を演じた悪役俳優・上田吉二郎の存在が本当に際立つのだ。

 対バイラス以降は人間ドラマの要素が消えて子供の味方という
設定がメインになり過ぎてクオリティの低下を招いたとも言える
だろう。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« ニックネーム... UEFA EURO 201... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。