ウルトラセブンEP37・盗まれたウルトラ・アイ

 準備稿のタイトルは‘他人の星’
 未確認飛行物体の落下を調査に行ったフルハシとアマギがダンプに
乗った女を発見、ダンが検問しようとして突破されたので追跡。
 しかし途中で発光物体が飛来し目くらましを食ったダンが崖下に転落。
 意識が朦朧としていたダンの所に少女が現れ、胸ポケットからウルトラ
アイを探し出し抜き取って行った。

 ピット星人、ゴドラ星人に続いてウルトラアイを盗まれるのは3度目だ。


 いずれも女から盗まれている。

 その後マゼラン星に向けて怪電波が発信され、内容は‘任務完了、迎えを
送ってくれ’宇宙ステーションV2が傍受した。
 4日後の2:00にK地区のスナック・ノアから怪電波が発信され、今度の内容

‘迎えはまだか?’

 ノアに乗り込んだダンとフルハシだが、ダンがウルトラアイを盗んだ少女を
発見しテレパシーで話しかける。
 この少女に言わせると

‘地球は侵略する価値のない狂った星’

 そのときにダンが発信装置がリズムボックスにあるのを見つけ、ウルトラ
警備隊員が駆けつけて押収する。
 やがてマゼラン星から返信が入り

‘恒星間弾道弾既に発射、迎えに及ぶ時間なく’

という内容。
 そう、この工作員の少女は自らの星に見捨てられていたのだ。

 巨大な弾道ミサイルが宇宙ステーションV2を破壊、迎撃システムも通じ
なかったのだ。
 ホーク1号と2号で迎撃するべく出動するが、2号に搭乗予定だったダンは
密かに工作員の少女を探しに出たのでアンヌが代わりに搭乗して出動する。

 だがホーク1号と2号の攻撃も弾道ミサイルに通じない。

 スナック・ノアに乗り込んだダンは少女を探し出そうとするが、ウルトラ
アイを装着した若者から襲われ気を失い目が覚めたのは23:00。
 少女と対峙し工作員の少女は‘この星の命も午前零時で終わり、私は
仲間が迎えに来てくれる’と宣言するが、ダンは返信テープを取り出して
見せる。

‘誰も来ない、君は最初から見捨てられて

いたんだ。

この星で生きよう、この星で一緒に’

と少女を説得。

 全てを察知した少女はウルトラアイを

差し出した。

 変身したセブンはミサイル内部に突入し方向を変える事に成功する。
 午前零時の鐘が鳴っても地球は無事だった。
 スナック・ノアでは少女がジュークボックスでスイッチを入れ、出てきた煙の
中に消えた。

 そして少女が付けていたブローチだけが落ちていた。

 ノアに戻ったダンは、落ちていたブローチを見つけて事情を悟った。

 ‘なぜ他の星ででも生きようとしなかったんだ、

僕だって同じ宇宙人じゃないか・・・’

とダンは呟きながら夜の街を歩くのだった。

 異形の敵は登場しないし、巨大なミサイルが飛んでくるだけ。
 しかもセブンは巨大ミサイルの中に入って方向を変えるだけという子供
の頃に見て‘2度と見たくないEP’の1つだった。
 しかし大人になって見たら、ダンと工作員の少女の息づまるやり取りは
素晴らしくセブンを代表するEPの1つである。

 異形の敵が登場しないからこそ このEPは味わいがあるわけで、セブン
が他のシリーズと一線を画しているのは こういうEPがあるからこそだろう。 

‘V3から来た男’から参加した市川森一が、書いた名作である。 

コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
いやいや (ゆう)
2008-06-21 00:01:05
全く持ってその通りですねぇ。こーじさん。
小生も、この話は子供の頃は全く地味でつまらんエピソードだったんですが、今観ると深遠で素晴らしいエピソードになってますよね。
準備稿時のタイトルの方がしっくりくる様なんですが、そこはやはりスポンサーサイドや何かの影響なのでしょうかねぇ。
哀しく響き渡る音楽(超兵器R1号の時に良く架かっていた曲)と共に忘れられない名篇ですよね。
 
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