怪獣映画に登場する悪人達の末路は

 日本の怪獣映画では怪獣という存在は単なる巨大生物ではなく神の
使いや、火山の噴火や大地震のような大自然の驚異的な扱いをされて
いるのが特徴だ。

 それゆえか登場する悪人は基本的に怪獣から殺されるケースが多い
のだ。

 例外的なのはモスラに登場した悪徳興行師のネルソンだが、彼はロ
リシカに戻って警察から逃れようとして警官に射殺されるぐらいか。

 例えばモスラ対ゴジラでモスラの卵を買って見世物にしようとした
熊山はバックに付いている虎畑二郎に射殺されるし、虎畑はゴジラが
接近しているにも拘らず金庫の金を回収していたばかりに逃げ遅れて
ゴジラが破壊した建物の瓦礫にのまれる。

 続く三大怪獣地球最大の決戦ではサルノ王女暗殺団のボス・マルネ
スが王女を射殺しようとした時、キングギドラが起こした山津波に
のまれて転落死というパターン。

 ガメラでもニューギニアでバルゴンの卵をオパールと思い込んで
強奪した小野寺がバルゴン水没作戦で使用したダイヤモンドを奪う
もののバルゴンの舌に絡め取られて捕食されるし、英一少年を見捨
てて自分だけ逃げていた記者がギャオスから捕食される悲惨な最期
を遂げる。

 更にウルトラQではゴーガ編でリヤン・ミンを射殺するべくライ
フルで狙っていた男が、後ろから迫るゴーガに気付かずに踏み潰さ
れるシーンなど枚挙にいとまが無い。

 特にモスラの場合インファント島の守護獣という位置付けからか
昭和作品では怪獣総進撃を除いて悪人が登場するケースが多く、その
悪人達は必ず怪獣から殺されるという末路を辿るわけだ。

 平成に入ってもその流れは受け継がれておりゴジラvsモスラでも
環境破壊を行なっていた業者が建設予定地をゴジラから壊滅させら
れるというパターンがあるし、大怪獣総攻撃でも犬に重石を付けて
湖に沈めようとした若者達がモスラによって全滅させられるなど
伝統は生きていた。

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コメント
 
 
 
自己中な神々と人間達 (A-chan)
2019-12-01 22:21:41
こんばんは。
「ゴジラVSモスラ」は主役といい脇役といい、自己中な人物がイラッとくる話ですね(笑)。特に藤戸氏はファミリー向けの映画の良き父親にはなれない、なってはいけないようなキャラクターですよね。彼の事を強いて悪党とは言わないまでも空気が読めていないというか、事態の把握ができていないところが、ちと怖いかも・・・・・・(汗)。
丸友の社長も悪どい上に、かなり危ないところがありますが、会社がパアになっただけで命を落とさなかっただけ「モスゴジ」の虎畑や熊山よりはマシかも。それより、コスモス用の家具を用意する為にデパートのリカちゃんハウスを漁る部下の社員達の様子を想像すると、笑えるような、気の毒なような・・・・・・(苦笑)。

とにかく、負の主役(汗)・藤戸氏の自己中と丸友社長の自己中、本能のままに暴れまわるゴジラの自己中と地球の害と見なした物は徹底的に殲滅するバトラの自己中と、本作ではたくさんの自己中が破壊を招きますが「地球の神」は1つにあらずという世界観が「聖闘士星矢」を彷彿とさせますね。
徹底的な破壊神・バトラと負の部分も受け入れ抱擁しようとする神・モスラ。平成モスラは怪獣界のアテナといったところでしょうか。まあ、バトラは最後に改心してくれますので、ポセイドンやハーデスよりはマシですが。
本作のゴジラは海底火山にスポンと飲まれて富士山から飛び出しますが、この離れ業は体内放射を応用したバリア能力あっての事でしょうね。まさに神レベル。奴は神になってしまった・・・・・・って、何だかジョジョの世界(笑)。
「ゴジラVSモスラ」は、まさに3つの神の戦い。最終的に受け入れる神・モスラが残りますが、どうか地球に向かってくる隕石を退け、コスモスと共に無事に帰還して欲しいです。
 
 
 
ホントにモスラ絡みは (こーじ)
2019-12-02 23:52:50
>A-chan様
 怪獣映画史上初のキャラの立った悪役はジェリー伊藤演じるネルソンで、モスラ対ゴジラの虎畑&熊山、三大怪獣地球最大の決戦ではサルノ王女暗殺団、南海の大決闘には赤い竹と悪人が必ず絡むという伝統がありますよね。

 ですから脚本の大森一樹がその流れで自己中の悪人ばかりをゴジラVSモスラに総出演させたとしたら凄い事ですよ。

 ちなみに宝田明を筆頭に小林昭二や黒部進、篠田三郎という正義キャラの人達も総出演してるのですがインパクトが違いますね。

 この作品で怪獣を火山の噴火に巻き込ませて倒すというサンダ対ガイラやガニメ&カメーバの結末は、できなくなりましたね。
 
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