64年生まれの私は幸いにしてゴジラやガメラの怪獣映画をはじめウルトラなど
の巨大ヒーローや仮面ライダーなどの等身大ヒーローにアニメヒーローなど
あらゆるジャンルのヒーロー作品を子供の頃に見る事ができた。
おうおにして子供の頃はヒーローと敵の戦う場面さえ見られれば満足なのだが
学生時代でもウルトラ系を中心に夕方再放送がOAされていたので、ついつい
見ているとヒーローと敵が戦うシーン以外にストーリーを楽しむ事ができるように
なる。
基本的に未成年の間は ここいらで楽しみを終えてしまうのだが、私の場合30年
前に行ったゴジラ復活オールナイトで予告編特集を見たおかげで それ以上の
楽しみを知る事ができた。
それは どんな俳優が出ているかや、脚本や監督の名前を覚える事。
特撮ヒーロー作品は主役以外に博士役を必ず演じる平田昭彦や防衛チームの
上層部で登場する藤田進や田崎潤らを最初の頃は映像では見ていても子供の
頃は名前まで覚えられないのだが大人になると覚える事ができる。
また監督などのスタッフもゴジラでは本多猪四郎やウルトラでは円谷一に飯島
敏宏、満田かずほなどの名前がクレジットされるので演出方法などの特徴が分か
るし、特に実相寺昭雄が監督すると独特のカメラアングルで撮ったり逆光で表情を
映さずにシルエットでの会話させたりといったシーンが多く出るので他の監督とは
違うと子供心にも思っていた。
脚本家の名前を覚えると それぞれの作風が分かってくるのでOPのクレジットを
見なくても○○氏の作品などと言えるようになる。
脚本家や監督に俳優の名前などを覚えていたら特撮ヒーロー作品以外でも見る
名前があるので、一般のドラマなどを見る時の楽しみも増えるわけである。
残念ながら こういう楽しみ方まで到達する人は少ないので、もったいない話だと
思ってしまうのだ。
そういう意味では私の場合30年前にリスクを負ってオールナイト映画を見に
行った事が、階段を1段上がらせてくれる事になったわけで今更ながら行って
よかったと思っている。