ファン・アントニオ・サマランチ前IOC会長死去

IOCのサマランチ前会長死去 五輪商業化を推進(共同通信) - goo ニュース

 昨日心臓疾患で入院していた前IOC会長のファン・アントニオ・サマランチ
氏が亡くなった。 

 昨年の開催地選挙の時に‘私も高齢で老い先が短い’などと言ってマド
リード招致活動を精力的に展開していたが、やはり89歳ともなれば ちょっと
した事でも体調を崩しやすかったのだろう。

  サマランチ氏に関しては五輪の商業主義とプロ化を推進した張本人として
賛否両論あるが、個人的には必要悪ではなかったかと思う。

 そもそも五輪はブランデージ体制の頃をピークに頑迷な形骸化したアマ
チュアリズムに拘ったため、76モントリオールでは莫大な赤字を出して21
世紀に至るまで税金で穴埋めするハメになっていた。

 また共産圏が いわゆるステート・アマで実質プロだったのに対し、プロが
認められてないため金メダル獲得数はソ連の1位はともかく2位が東ドイツと
いう状況が72ミュンヘンから88ソウルまで続いていた。

 つまり ブランデージ・イズムを堅持すれば勝負は共産圏の独壇場になって
いたし、共産圏の国でなければ開催できない状況だった。
 それを現実路線に切り替えたのがサマランチ氏。

 ラテン系初の委員長という事で建前より本音を優先するラテン気質でスポ
ンサーを募って84ロスから黒字に転じ、プロを解禁する事で五輪を世界最高
レベルの大会に位置づけるようにしたのだ。 

 にも拘らず今でも‘五輪はアマチュアの大会’などと文句を言う
輩が日本にいるのが信じられないのだが・・・・・・

  確かに金がかかり過ぎる招致活動は加熱し、スキャンダルも多く発生する
事になった。
 とはいえアマチュアの大会に過ぎなかった昔の五輪と、プロが出られるよう
になって飛躍的にレベルアップした今の五輪を見て楽しいのは今だと断言
できる。

 何事も100%上手く行くシステムは不可能だから光の部分があれば影の
部分も出てくるのは当然だ。

 どんな形であれ五輪が存続されるという事が特に五輪好きの日本人に
とっては大事だろうから‘商業主義やプロが出るのはけしからん’
などという化石頭の連中の寝言は無視するべきだろう。

 ただしプロ化によって各競技がIOC主催の五輪よりもサッカーのように
各競技団体主催の世界選手権の方がレベルが高くなり、出場選手達のモチ
ベーションも上がり始めたという事も知っておくべきだろう。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
« 替え歌は親し... Episode 29:... »
 
コメント
 
コメントはありません。
コメントを投稿する
ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません
 
名前
タイトル
URL
コメント
コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。

数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。