紀平梨花、デビューシーズンV フィギュア、日本勢で浅田以来
先週末カナダのバンクーバーで行われていたフィギュアスケート
GPファイナルの女子シングルで紀平梨花が、平昌五輪の金メダリ
ストのアリーナ・ザギトワとの一騎打ちに勝って初優勝を飾り日本
人選手としても浅田真央以来のシニアデビュー年での優勝という快
挙をも達成した。
紀平はザギトワと同じ02年生まれの16歳で今シーズンがシニア
デビューとなったのだがGPシリーズではデビュー戦のNHK杯で
SP5位からの逆転優勝を飾ると、フランス国際でも2位発進からの
逆転優勝で連勝してGPファイナルに臨んでいた。
これで浅田真央引退以来ロシア勢の独壇場だった女子シングルで
対等に戦える選手が出て来て、羽生結弦&宇野昌磨の2枚看板を擁
している男子に比べて沈滞ムードが漂っていた女子も一気に活性化
するだろうが少しばかり気になる事が。
紀平の快挙は大いに喜びたいのだが、フィギュアスケートの女子
シングルが70年代後半の女子体操と同様ハイティーン中心になり
かねないのではと思ったりする。
基本的にフィギュアスケートの女子は選手寿命が短くソチ五輪で
銅メダルを獲得したカロリーナ・コストナーが27歳だったが、基本
的に20代半ばで引退しプロ転向というのが主なパターン。
06年のトリノでは金の荒川静香が25歳で銀のサーシャ・コーエン
は21歳、銅のイリーナ・スルツカヤが27歳。
10年のバンクーバーは金の金妍兒と銀の浅田真央が20歳で、銅の
ジョアニー・ロシェットは24歳。
14年のソチは金のアデニア・ソトニコアが18歳で銀の金は24歳、
銅のコストナーが27歳と年代的に多彩だったが今年の平昌では金の
ザギトワが16歳で銀のエフゲニア・メドベージェワも19歳と一気に
10代でのメダリストが2人になった。
これを見ると70年代の女子体操界が17歳だったオルガ・コルブト
た14歳だったナディア・コマネチが金を取ったのを思い出すわけで、
男子が難しい技を決めて行くのに対し女子は優雅さに拘るフィギュア
スケートでも男子並みの難しい技が要求される事になるのではないか。
高難度のジャンプ技は女性として体ができてない10代の方が跳びや
すく、優雅さは年齢を経るごとに付いて来るので女子フィギュアは22・
3歳あたりがピークになると言われていた。
それが‘難易度の高いジャンプを跳んでナンボ’的な価値観になる
と10代ではないと勝てない競技になりかねないし、そうすると競技自
体の本当の魅力が損なわれるのではないかと思ったりするのだ。