ある常連さんが亡くなって思う事

 今日の営業終了間際に近所の人達が喪服を着て歩いていたので、
誰か亡くなったのか?と思っていたものの接客中だったので聞き
出せずにいたのだが終了後に心当たりのある お客さん宅の前を
覗くと案の定‘通夜・葬式’の札が立っていた。

 このお客さんは祖父の代からの常連さんで昨年あたりから酸素
ボンベを抱えて回るぐらい弱っていたし、父とも懇意にしていた
ので昨年末に来店された時に父の死去を知らせるとガックリされ
ており今年に入って弱っていたので‘そろそろヤバいかな’と
思っていたので‘来る時が来た’感が強かった。

 我が家は祖父の代から私で3代目だが、おかげさまで今回亡く
なった方のように祖父から3代続けてカットをさせてもらえる
常連さんがいる。

 とはいえ今回亡くなったお客さんも81歳と、そろそろ年齢的に
厳しいケースが多いので葬式は営業中抜けられないので通夜だけ
でも参列させてもらった次第。

 営業が終わっての出席だけに参列客は帰っていたので親族の
方々と話をする事ができたのだが、カットに来る時期になって
いた事から臨終間近に‘髪を切ってもらわんといかんやろう’
と声をかけると一時的に持ち直したという話を聞くと、長年
当たらせてもらっていた者としては感無量だった。

 こういった常連さん達のおかげで店が成り立ち、成長できたと
改めて実感するものだ。

 
 

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