白鵬が駄目押し反省「意識してやっていかないと」
幕内最高優勝36回を誇る大横綱・白鵬が十分過ぎる実績のわりに
世間の風当たりが強いのは勝った後にとどめを刺すいわゆる‘駄目
出し’が多いという事になるのだが、どうも白鵬の駄目出しは残心
という相撲精神を過剰に考えているのではないかと個人的に思う。
相撲をはじめ日本の武道には‘残心’という言葉があり技を決め
ても審判から勝ち名乗りを受けるまで勝負は決まらないから、技を
決めてもガッツポーズをするなど喜びを表してはならないというも
のがある。
駄目出しというのは相手が寄り切られて勝負が付いたのに更に突
き落としたり投げを打ったりする事で、負けた方は勝負が付いたと
思って気を抜いたスキに技をくらうのでケガをする可能性が高いし
先場所も駄目出しをくって土俵下に落ちた力士が井筒審判委員長を
直撃し足を骨折する事態にまで発展したのだった。
つまり残心の精神を極端に解釈すると駄目出しになるのだが白鵬
の場合は、その度合いが分かりづらくなっているのかもしれない。
以前から白鵬自身は双葉山を尊敬しており双葉山の取り口を再現
する事に対して拘りを見せていたのだが、最近の白鵬は双葉山なら
絶対にやらなかった駄目出しや張り刺しに立ち合いの変化などを
平然とやるようになっているので相撲ファンにすれば余計に裏切ら
れた感が強く風当たりも強いのだろう。
32回という大横綱・大鵬の記録を破った白鵬にとって角聖といわ
れる双葉山の域に少しでも近づくというのが次なる目標だろうが加
齢による自らの力の衰えを自覚して、そこまでの余裕がなくなって
いるのではないかと思うし本来ならば北の湖に代表されるような
‘観客の声援が対戦相手の応援一色になる事への苛立ち’というの
も その象徴かもしれない。