WBC制覇から見えたもの

 早いもので日本代表がWBC14年ぶり3度目の優勝を果たしてから2
週間経ち余韻に浸る間もなく、プロ野球も日本&MLB共にレギュラー
シーズンが始まっており引きずっているのはワイドショーなどのイエ
ロージャーナリズムのみ。

 今回のWBCでは史上初の7戦全勝優勝した形になっているのも見事
だが、勝ちの内容も完勝あり競り合いでの逆転勝利ありとバラエティ
に富んでいる。

 他のサイトでも指摘されているように今回のWBCで日本の特徴と
して送りバントのシーンがほとんどないというもので、日本が勝つ
にはスモールベースボールしかないという発想が過去のものとなっ
ているのが分かる。

 昭和の時代に日本がアメリカに勝つには軟投派の投手を中心に鉄
壁の守りで最少失点に抑え、小技を駆使したスモールベースボール
でロースコアの接戦で競り勝つべしというのがセオリーだった。

 この流れを崩したのはロス五輪で金メダルを獲得した松永玲一氏
率いる代表で、スモールベースボール+長打も必要という形で大学
生でホームラン打者だった広沢克己を招集し前半打てなくても使い
続けた結果アメリカとの決勝で試合を決定付ける3ランを放つなど
活躍していた。

 松永氏は2年後にパワー野球への挑戦という本を執筆しスモール
ベースボール一辺倒では勝てない旨を主張してアトランタ五輪まで
連続してメダルを獲得していたのだが、プロの参加がOKになり木製
バット使用になったシドニー以降マスコミが大好きなスモールベー
スボールの重要性のみが強調されて行った感が強い。

 たしかに20世紀まではスモールベースボール一辺倒でもよかった
ろうが、よりレベルアップさせるにはホームランなどの大技が必要
不可欠で大谷翔平のようなMLBでもホームラン王争いが期待できる
選手が排出されている時代に彼に続く選手の誕生を望むならスモー
ルベースボールのみでは厳しいだろう。 

 奇しくも今年の選抜高校野球で優勝した山梨学院はビッグイニン
グを作り、相手に作らせないスタイルでの優勝だからスモールベー
スボールの根底にある1点に拘り過ぎるスタイルは過去のものにな
るのではないかと思う。

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