本場で絶対にやらない練習はするべきではない

 最近5月6日に起きたアメリカンフットボールでの関西学院大と
日大との定期戦で、日大の選手が相手QBに対し敢行した悪質タッ
クル事件が世間を賑わせていたのが時間が経つにつれて日大のパワ
ハラ体質というのが炙り出されて格好のターゲットになっているの
が現状だ。

 アメフトの日大といえば故・篠竹幹夫監督がスパルタで鍛え上げ
ていた流れを引き継いでいるといわれており、かつてはサムライ・
フットボールと呼ばれて尊敬されていた。

 つまりアメフトの強化を独自の日本風にして鍛え上げていたとい
う事だろうが、そういえば70年代後半に週刊少年マガジンで連載
されていたフットボール鷹というマンガを思い出す。

 巨人の星を描いた巨匠・川崎のぼるの作品で日本人アメフト選手
・夕日野 鷹が名コーチであるボブ・マッケンジーと組んでNFL入
りを目指す内容で、花形満を髣髴させるライバルのソロモンや左門
豊作を髣髴させるヘイズに伴宙太を髣髴させるデイビスなどが絡む
巨人の星テイスト満載で当時は楽しく読む事ができた。

 作中ボブの友人で星一徹を髣髴させる片目のジャックが運営する
自然特訓場に鷹が入るのだがRBの特訓は川の中を水門まで走った
り険しい岩山を一気に駆け上がるメニューがあり、時間内に走りき
れないと水門が開いて流されたり川に落ちるなど運が悪いと再起不
能になるものばかり。

 もっとも他のポジションでもWRは橋の上で何度かキャッチミス
すると橋が外れて川に落ちるし、QBはシーソーの上からボールより
重い石を的に当てなければならず投げる石を満載した箱がシーソー
の片方にあるため早めに達成できなければ石が減ってシーソーが傾
き川に落ちるというもの。

 更にQBから受けたボールを落とすと棒切れで殴られるなど、後
から欧米文化を考慮するとありえない特訓シーンが頻出している。

 とりあえず先日亡くなった後藤完夫氏が監修しているので他のア
メフト作品に比べればできは雲泥の差だが、あまりリアルに描き過
ぎると当時の読者には面白みがないし巨人の星テイストを加えた方
が受けがよかったのでこういった特訓シーンが登場したのだろう。

 ただし当時の日大スタッフがこういったシーンを真に受けてスパ
ルタ特訓をアメフトの指導に取り入れたとも考えられるわけで、あ
の頃としては仕方ないだろうが21世紀にもなって40年以上前にマ
ンガで描かれたような雰囲気の特訓をさせるのは時代錯誤もいいと
ころだ。

 どうしても日本では練習をすればするほど上手くなるという思想
が根強く、それゆえに長時間練習が当たり前になっていたのだろう
けどアメリカンフットボールのような競技は日本風では絶対に強く
ならないという事を知るべきではないだろうか。

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