総天然色版ウルトラQの再放送をWOWOWで見ていて驚くのは一の谷博士の
存在だ。
白髪頭に白髪ヒゲを蓄えてメガネをかけた風貌は いかにも博士然としているし、
ありとあらゆる事に精通しているので子供の頃は凄く頼もしく思えたのだが大人に
なって考えると‘この博士の専門は何なのか?’と思えてくる。
というのも制作第1話のマンモスフラワーでは‘太古の生物は巨大だ’と言い
つつマンモスフラワー対策のアドバイザーになっているし‘変身’ではモルフォ蝶の
毒を解毒する熱原始線X砲を、‘悪魔っ子’では精神体の少女を肉体に戻す超
短波ジアテルミーを開発している。
更にナメゴン編では研究所の敷地内でナメゴンの卵が孵化すると助手を呼んで
至急塩水を大量に作るように冷静に指示を出すなど、モングラー編同様あらゆる
対策を思いつくのだから凄い。
大怪獣バランには千田是也演じる蝶などを研究する生物学者の杉本博士や
村上冬樹演じる古生物学者・馬島博士に最終的にバランを倒した爆薬を開発した
平田昭彦演じる藤村博士という3人の博士が登場していたのだが、ウルトラQの
一の谷博士はバランの3博士の能力を全て兼ね備えているのだからヒーロー
作品史上最強の博士ではないだろうか。