奇跡的な集中力は長続きしない! モントリオール五輪・体操

 32年前の今日モントリオール五輪の体操競技が終わった。
 当時の日本の男子体操は無敵の強さを誇り4年前のミュンヘンでは
団体・個人総合・つり輪・平行棒・鉄棒と5/8を制していた。
 当然のようにモントリオールでも、金を5個か6個は取れるものと思わ
れていた。
 ところが・・・・・

 個人総合の優勝候補筆頭だったエースの笠松茂が、大会直前に盲腸
炎で入院し一気に暗雲が立ち込めた。
 首脳陣は急遽3連覇中だった個人総合は諦め、団体の5連覇のみに
重点を置く事になった。

 だが現実は甘くない。
 初日の規定演技で笠松の代わりに起用した補欠の五十嵐久人の点が
伸びないため、全員の得点も伸びずに何と規定演技終了時点でソ連に
リードを許す最悪の展開になった。

 続く自由演技の3種目目のつり輪で藤本俊が膝を痛めて演技続行が
不可能になった。
 6人中・上位5人の得点がカウントされるため試合は続行できたが、1人
でも失敗すると5連覇は絶望となる。
 ここで残った日本の5人は‘神の演技’と呼ばれるような見事なノーミス
演技を行いソ連を大逆転で破り5連覇を達成した。
 個人総合でも規定終了時点では2連覇中だった加藤澤男が3位、塚原
光男が4位だったのが自由演技終了時点で加藤が2位に、塚原が3位に
上がり‘この勢いで個人総合も’と思われた。

 ところが個人総合では加藤・塚原共に団体戦では考えられなかった
ようなミスを連発し、ソ連のニコライ・アンドリアノフに逃げ切られ2位と
3位に終わった。

 更に種目別でも加藤が平行棒で、塚原が鉄棒で優勝したものの金は
3個に終わったのに対し、アンドリアノフが床・つり輪・跳馬で優勝して
ソ連から全種目の半分である4個を持って行かれる事になった。

  これを見て分かるのが‘奇跡的な集中力は長続きしない’という事だ。
 団体を逆転で優勝したのは実力以上のモノを出したとしか言いようが
ない。
 団体戦で必要以上にエネルギーを使い果たしたのが、種目別での金
2個に終わる原因になったのだ。 

コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
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コメント
 
 
 
懐かしい~なぁ~ (柴田真紀)
2008-07-24 01:21:04
 これ、実況LPレコードも持っているし、写真集も持っていますよ。
 ウチの従姉は、このときの日本男子選手の技の名前を全部言える、と点でワタシより勝っていたのが、個人的に悔しかったりして……。
 
 
 
そうですか! (こーじ)
2008-07-24 23:10:30
>柴田真紀様
 そういえば、そんなLPレコード売ってましたね。
 当時はトカチェフなどなく‘上向き飛び越し’が
主流でしたし監物の降り技が‘大伸身飛び越し?’とかいう技で、今では誰もやらない簡単そうな技でしたっけ。
 五十嵐選手は、これで燃え尽きたのでしょうね。
 
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