今年の日本シリーズの分岐点は

　早いもので今年の日本シリーズが終わって明日で1週間が経つ。

　個人的な予想では当初ジャイアンツの4勝2敗、エースの田中がG2に登板する
事が分かった時点で4勝1敗で決まるだろうし仙台までもつれ込んだらマズイとは
考えていた。

　一方でイーグルスが勝つとすれば仙台で全勝は無理だろうから東京ドームで
１勝はしないといけないし、極端に言えば仙台での３連勝と東京ドームで１勝して
の４勝２敗が勝つための最善のパターンではないかと思ったのだ。

　結果的に田中が１勝１敗というのは誤算だったものの交流戦で１回もたずにKO
された美馬が無失点での２勝を挙げ、辛島もG5で５回を無失点に抑えたしG1の
後はリリーフを任された則本もレギュラーシーズン以上の活躍を見せたのが印象
深く それが有利なはずの仙台では２勝２敗だったのに対し東京ドームでの３試合を
勝ち越しての優勝に繋がったという事だろう。

　個人的には東京ドームの初戦であるG3が明暗を分けるカギになったのでは
ないかと思う。

　イーグルスは前記したように交流戦で１回でKOされた美馬だったのに対し
ジャイアンツは前年 東京ドームでの交流試合でイーグルス相手にノーヒット
ノーランを達成した杉内だからジャイアンツ有利という予想が妥当な線だったろう。

　１回にジャイアンツは長野がヒットで出塁するとバントで１アウト２塁から阿部が
倒れて２アウト後、村田の打球を美馬が飛びついてキャッチしてアウトにした直後に
杉内が４失点したため2回以降は美馬がノビノビ投げる事ができたし6回途中で
阿部の打球を足に当てて降板したためG7に中4日で登板が可能になるという
思わぬ効果をもたらした。

　G3を取った事からイーグルスは仙台に戻るという最大のミッションを初戦でクリア
した事で仮に連敗してもG6で田中でタイに持ち込めるし、G7にはG3で好投した
美馬が自信を持って臨めるだけでなくホークス時代から仙台では弱い杉内ならば
攻略できるという心の支えができたのでG4 で4－1から逆転負けしてもG5で
土壇場で追い付かれても決定的なダメージにならなかった。

　そしてG5で則本が最終回にリードを守れずに追い付かれたにも拘らず、10回に
代打を出さずに四球を選んでチャンスを作った事などG3で勝ったいい流れが続いて
いたのではないだろうか。

　ジャイアンツがシーズン負けなしだった田中をG6で打ち込んで負けを付けたのは
さすがだったし則本相手にも1勝を挙げているので2枚看板に対して2勝2敗だから
悪くないものの、与しやすしと思われた美馬ら3番手以降の投手相手に1勝2敗
それも美馬相手に無得点だったのが最大の誤算だろう。

　シリーズにはラッキーボーイといわれる伏兵が登場したチームが勝つのだが
美馬が まさしくラッキーボーイになったし、それを誕生させたのはG3の2回の4点
だったと個人的には思うのだ。