TV局がボクシング世界戦を蔑ろにし始めて30年

 今から30年前の昨日91年2月3日に名古屋レインボーホールで行
われたWBC:Jフェザー級タイトルマッチで1位の畑中清詞が王者
ペドロ・デシマ相手に、ダウン応酬の激戦の末6度のダウンを奪い
8RTKOでタイトルを奪取すると共に名古屋地区から初の世界王者と
なった。

 試合は1Rに2年半前の初挑戦時同様にダウンを奪われる劣勢で始
まるが4Rに計4度のダウンを奪って形勢を逆転し、その後一進一退
の展開から8Rに2度のダウンを奪い見事にTKO勝ちしたのだ。

 畑中といえば東海のロッキーと言われると共に高橋直人や飯泉健
二らと並ぶホープ三羽烏と期待されていた1人だったが、飯泉は網
膜剥離で引退し高橋も世界戦に辿り着く前に引退しているので3人
の中で唯一世界王者になったわけである。

 さらに本来Jバンタムの日本王者だった畑中が敢えて2階級上げ
ての挑戦でタイトルを奪取した事により‘世界挑戦は自らのベスト
階級より落として挑戦しなければ勝てない’という思い込みを打破
する効果があったわけである。

 ところがこういったプラス要素が満載だった畑中の世界奪取に、
冷や水を浴びせたのがTBSである。

 この試合は名古屋の松田ジムが主催という事でTV中継はTBS系
列のCBCがキー局になったわけだが、そのおかげで当時では当た
り前だった19:30からのゴールデンタイムではなく16:00から
の中継にされ放送は近畿&東海地域辺りに限定されてTBS系列の
多くは中継しなかったのだから驚いた。

 当時のTBSの言い分によると「この日は12:00から別大マラソ
ンが終了後の14:30から16:00まで東レパンパシフィックテニ
スの中継をしたので3番組連続でスポーツをやるわけには」との
事だったがTBSが中継したのは綱引き選手権。

 66年にTBSが制作したウルトラマンは関西では系列局である毎
日放送ではなく朝日放送が、毎日放送が制作した仮面ライダーを
TBSが放送せずTV朝日がOAしているように もともとTBSは系列局
との仲が悪かったようだ。

 だから87年10月に世界を取った井岡弘樹の世界戦や88年9月の
畑中初挑戦の時も昼間の興行になっていたのだが、まさか世界戦
のTV生中継が系列局でOAされないとは思わなかった。

 ちなみにコチラでも中継はなくスポーツニュースで結果を知っ
たわけだし翌日の夜中に、ほとんど告知もなくひっそりとOAされ
たのだった。

 この流れで2年後の93年12月の辺丁一ー薬師寺保栄戦も然りで
タイトルを奪取した薬師寺の防衛戦も2度目の防衛戦までは昼間
の試合だったし、そのあおりで今度は竹原慎二のWBAミドル級
タイトル挑戦試合まで中継されずに歴史的快挙はTV東京の関東
ローカル深夜中継という事になるのだった。

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