そろそろ五輪の金メダリスト=世界最強ではない事に気付くべき

 新型コロナウイルスで1年延期になった東京五輪だが、ここに来
て一般の人達から五輪組織委員会だけでなくIOCに対する嫌悪感を
持たれ始めているようだ。

 特にIOCのアスリート・ラストの姿勢は酷くマスコミからのIOC
批判を一時期は効かない日はなかったわけだが、基本的に国際スポ
ーツ団体のトップというのはマスコミや一般人が思うほど清廉潔白
な人はいないので‘何を今さら’感は強い。

 ただ五輪という大会が曲がり角に来ているのも事実で単なるアマ
チュアに拘った大会から、世界最高レベルの大会に変貌する願望を
持ちながら時代に付いて行けてないというのが目に付くのだ。

 スポーツライターの加部究氏が書いているのだが1896年に第1回
のアテネ五輪が始まった頃に、各競技団体で世界選手権が行われて
いたのはテニスとサッカーぐらいで共にプロという共通項がある。

 以前は他の競技団体はプロになりきれておらず競技団体が主催の
世界選手権がないため五輪が最高の大会という位置付けになってい
たようだが、最近は各競技団体が主催する世界選手権の方が出場す
る選手達の事を考慮して適切な時期に行うため五輪以上にレベルが
高くなっている。

 そしてプロ化した事によって選手達のレベルが上がるし選手達の
発言権が強くなるわけで、五輪の延期も海外のトップ選手達が強行
開催なら出場辞退をチラつかせたというのが大きかった。

 つまり五輪のような総合大会はアマチュアだったからこそ成立す
るもので、プロが参加する大会になるとサッカーのW杯のように競
技団体主催の大会の方が選手達のコンディションに留意しているか
ら五輪の金メダルが世界一という価値観が崩れている。

 ならば年配者達が度々言うように‘五輪はアマチュアの大会でプロ
は参加すべきでない’となればプロのない共産圏の国の独壇場になる
のは火を見るよりも明らかで、だからこそIOCはプロを容認すると
共に五輪の金メダルを世界一という方向に舵を切ったと思うのだ。

 正直言ってサッカーやラグビーで世界一といえば各競技団体が主
催するW杯王者であり五輪の金メダリストではないのは誰が見ても
明らかになっているわけだし、マラソンに出場するプロランナーは
五輪の金メダルより世界記録に拘るようになっている時代だ。

 だから日本のマスコミも そろそろ五輪に対するスタンスを いい
加減‘世界一を決める世界最高レベルの大会’というように持ち上げ
るのをやめた方がいいし、そういった姿勢こそが前時代の亡霊の
ようなIOC役員達をのさばらせる要因になっているのだから。

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