ヘアサロンうつのみや・オーナーのスポーツやヒーローもの、雑談ネタを徒然なるままに
こーじ苑
行き過ぎたアマチュアリズムは競技レベルを下げる
W杯活躍で報奨金5000万円=ラグビー日本代表に―大正製薬
2015ラグビーW杯もベスト8が出揃い、いよいよ佳境に入るの
だが予選プールで3勝しながらベスト8入りに失敗した日本代表の
面々が帰国後に大歓迎を受け五郎丸歩をはじめとしたメンバーが
スポーツニュースだけでなく昼の情報番組にも生出演しているのが
目立つ。
また代表チームのスポンサー・大正製薬は代表チームに5千万の
報奨金を送る事を表明するなどラグビーの世界もまともになりつつ
あるので嬉しい限りだし、世間もようやくラグビーの面白さに気付
いたようで代表が強くない競技には世間一般の人達も注目しない
というのが分かる。
個人的には70年代半ばからラグビーを見ておりラストでの大逆転
もあるのでJリーグ発足前のサッカーよりも断然面白かったわけだが、
ここまでラグビーの人気を急落させたのは協会の必要以上のアマチュ
アリズムへの拘りという事になる。
もともとラグビー自体が他の競技がプロ化していく中でアマチュア
リズムという孤高の思想に拘っていたのだが‘金のためではなく無償
の行為'という気高い思想は日本の武士道にもつながる事から、日本で
も好まれていたので特にエリート系の人達を中心に人気があったし
スクールウォーズなどのドラマにもなっていた。
ただアマチュアに拘り過ぎるためTVやCMなどへの出演は絶対に
禁止でCMに出演した松尾雄治や、TVキャスターになった故・上田
昭夫らが現場から離れざるを得なかったぐらい厳格だったのだ。
もっともニュージーランドや南アフリカなど、ラグビーが国技の
ような国では事実上のプロ状態だったのだが87年に開催された第1回
W杯でプロを目指していた南半球勢とアマに拘りのあった北半球勢の
レベル差が顕著になるとイングランドでの開催となった第2回では北
半球勢も力を入れざるを得なくなっていた。
そんな中で相変わらずアマチュアリズムという名の惰眠を貪っていた
日本協会のお偉方達はドル箱だった大学ラグビーが好調な事から代表
チーム強化に対しては及び腰で、サモア・トンガ・韓国との戦いで2位
以内に入らなければ出場できない第2回大会では宿沢広朗を監督に就任
させるなど真剣に強化した結果ジンバブエ相手に勝つ事ができ第3回
以降はアジア枠1を獲得できた。
ところが宿沢が任期満了で退任し後任に派閥の順送り人事で就任した
監督が無能だったったのに対し世界は既にプロ化に突き進んでいた
ため、代表強化は停滞どころか後退し4年を無為に過ごした結果が
後にブルームフォンテーンの惨劇といわれるニュージーランド相手の
17-145という大敗だった。
これが致命傷になってラグビー人気は急落しただけでなく2年前に
プロ化したサッカーから話題を持って行かれる事になった。
こうなると完全な負のスパイラルに嵌り世界の急速なプロ化に付いて
行けず、代表チームもスーパースター平尾誠二が監督に就任したりして
話題を集めるもののW杯では惨敗続きで‘国際競争力のない競技は
衰退する'という法則を地で行く事になる。
結局アマチュアというのはボランティアなので高潔な人間がトップ
だと それなりに結果を残せるのだが、一歩間違えれば誰も責任を取ら
ない無責任体制という事だから完全なプロ化した国々相手に勝てる
はずもない。
とりあえず19年にW杯の日本開催が決まり本気で強化しなければ
いけなくなったためエディ・ジョーンズという優れたコーチを招聘し、
結果的に目標とされたベスト8には届かなかったものの3勝を上げて
‘体格に劣る日本人が勝てるわけがない’などという説が‘常ウソ’
だという事が分かる。
こうして振り返ってみるとラグビー界が妄信していたアマチュア
リズムは無責任体制の隠れ蓑で、国際競争力を損なう元凶だという
のが証明されたのだった。
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武芸に長けた平将門が板東を平定して新皇を宣言するも僅か2ヶ月で朝廷に滅ぼされたのは、実務経験が無くて戦略に疎かっただけでなく、農繁期が近づいて兵士を大量に故郷に帰してしまったので隙が生まれてしまったのが最大の敗因だ(そもそも藤原秀郷率いる討伐軍は最初からこの時期を狙っていた)。
https://www.youtube.com/watch?v=MgtoSAVwSQc
一方、織田信長は志半ばで全国統一こそ果たせなかったものの、破竹の快進撃が出来たのは「兵農分離」を実行したからだ。
継続的に雇用した職業軍人を城下に住まわせたので、召集に必要な時間を短縮できて農繁期の長期出兵の問題も解決し、更には兵士と武具の質の向上にも繋がった。
もちろん、これらを可能としたのは、信長が先進的な経済政策を行って富を手に入れたからに他ならない。
過去の日本の歴史だけでなくスポーツの世界も同様で、少なくとも中途半端なアマチュアの体制を墨守したままでは国際競争力が確実に低下していずれ座して死を待つのは必至だ。
国内リーグの商業化、選手のプロ化、海外から指導者を招請、若年層の育成、有能な選手の海外移籍など、先進的な政策を積極的に推し進めなければ「グローバル化」には絶対に太刀打ち出来ないね。
たしかにアマチュアが半農半士という譬えはなかなかですね。
五輪の男子球技がサッカー以外出場できてないのも
プロ化に立ち遅れた以外の何物でもないですし、特に
企業アマの恩恵を受け過ぎた男子バレーの醜態は目に余るものがありますよね。