本来なら怪奇大作戦の主役は勝呂誉なのだが

 今から50年前に始まった怪奇大作戦は科学を悪用する者を科学
捜査研究所SRIが科学の力を使って暴いていくという設定になって
おり、熱血隊員の勝呂誉演じ三沢京助と三沢の先輩で岸田森演じる
牧史郎に三枚目キャラで2人の助手である松山省二演じる野村洋ら
の活躍が描かれる。

 ただ面白い事に いかにもヒーロー然とした三沢より話数が進む
につれ、牧の方が目立ち始める形になっていったのだ。

 これは怪奇大作戦という作品がウルトラQから始まった円谷作品
の中で、セブンまでの陽性モードから一気に陰性モードになったと
いう事になるのだろう。

 というのも怪奇大作戦で最も印象的なEPといえば電話中の人が
焼け死ぬ恐怖の電話や殺人人形が出てくる青い血の女に落武者の
幻影が人を襲う霧の童話、また実相寺昭雄監督の京都編である呪
いの壺や京都買いますなどが挙げられるがQからセブンまでメイン
ライターを務めた金城哲夫の作品が1つもないのだ。

 ちなみに金城哲夫が担当したのは人食い蛾と吸血地獄に上原正三
との共作の白い顔の3作品で、2クール目以降は全く担当してないの
が分かる。

 つまり怪奇大作戦という作品は金城哲夫の直球路線よりウルトラ
マンのジャミラ編やガヴァドン編など変化球路線の佐々木守&実相
寺昭雄コンビの方がメインになり、それゆえ熱血で猪突猛進型の三
沢より子供の頃に姉をアメリカ軍の機銃掃射で亡くしたトラウマを
持つ牧の方が目立つようになったのだ。

 ちなみに怪奇大作戦は26話中7話を担当した上原正三がメインラ
イターという位置付けで4話を担当した若槻文三が続き、金城哲夫
や佐々木守に市川森一らが3話を担当という形になっている。

 当時の上原正三は佐々木守同様に変化球系のライターだっただけ
に、怪奇大作戦の作風が主役まで変えたような感じになっていると
思うのだ。

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