松坂大輔の落札額について

　最近話題になるのが松坂の落札額である60億円。
　破格な値段だが、これはある意味想定の範囲内だ。
　まず松坂がWBCのMVPだという事。
　WBCはMLBサイドが自分達に有利な運営方式を強引に
推し進めたので、その大会のMVPともなればかなりの
高評価をする必要がある。
　日本のプロ野球の評価が高いという証拠になるのだ。
　男子バレーの加藤陽一がイタリアに渡った時の年俸が
200万だったそうだ。ミュンヘンでの金メダルという輝か
しい歴史も最近３大会連続で出場権を取れてないため
イタリアでは「日本がバレーをやってるのか？」という
ぐらい厳しい評価なのだ。
　これを考えると喜びこそすれ悲観するべきではない。
　MLBの総年俸のベスト３はヤンキース、メッツのNY勢に
続いてボストンなのだ。
　最近NYの両チームは金をかけまくっていたが、ボストン
だけはAロッドやRaジョンソンをヤンキースに持っていかれ
ペドロ・マルティネスはメッツに引き抜かれるなど割を
食っていたため反転して大攻勢に出た感じだ。
　面白いのが97年にＷシリーズで優勝したフロリダ。
　オーナーのハイゼンガーは全米にレンタルビデオチェーン
を持っているのだが豊富な資金を投入して優勝できるチーム
作りに入った。
　Dホワイト、Eレンテリア、Gシェフィールド、Bボニーヤ、
Mアルー、Tアイゼンライクといった野手のスーパースターを
かき集めピッチャーはＡライター、Ｋブラウンらをかき集める。
監督まで違約金を払ってピッツバーグから引き抜きかかった
費用は300億円！
　この年の東京ジャイアンツが清原やヒルマンを獲得して30億
補強と言われたがMLBでは桁が一つ違うのだ。
　ただフロリダはWシリーズ優勝したものの、更に年俸が跳ね
上がったためオーナーはやむなく翌年ピッチャーと野手を1人
づつ残して全員出してしまった。そして誰もいなくなったわけだ。
　この年のフロリダは「金で優勝を買ったチーム」と評判が
悪かった。
　ただフロリダですらこれだけの金をかけるのだから、金持ち
チームのボストンが60億かけても不思議ではない。
　何かと結果を残し続けないといけないNYと違ってボストンは熱狂
的だが、わりかし大らかなので松坂としたらいい環境のチームで
落ち着いてプレーできるだろう。
　しかも所属していた日本人は野茂と大家がいる、特に野茂は01年に
ここで2度目のノーヒッターを経験しているので日本人に対する視線も
いいに違いない。
　松坂大輔のボストンでの成功を祈りたい。