トラックレース強化がマラソン強化につながる事を大迫傑が証明

大迫、初マラソンで3位=男子キルイ、女子はキプラガト優勝―ボストン・マラソン

 日本時間の昨日深夜に行われたボストンマラソンで、日本の大迫
傑が2:10:28のタイムで3位に入った。

 初マラソンながら序盤から先頭集団の中で落ち着いてレースを展
開し35㌔過ぎにジェフリー・キルイらが抜け出した後も、しっか
り追いかけて結局優勝したキルイから51秒差の3位でゴールした
のだがボストンマラソンでは87年に瀬古利彦が優勝して以来30年
ぶりのトップ3という快挙だ。

 大迫は早稲田時代に箱根駅伝などでも活躍し卒業後は日清食品に
就職していたものの、一昨年トラックでのスピードを磨くためアメ
リカに拠点を移して5000mで日本新記録を樹立。

 昨年のリオ五輪では5000mで予選敗退し、1万mでは優勝した
ファラーとは45秒差の17位に入るなどトラックでの実績を積ん
でおり今年のロンドン世界陸上では1万mでの出場を表明して
いたので今回のボストンマラソン参戦は意外ではあった。

 ただし高岡寿成のようにトラックでスピードを磨きマラソンに
参戦するという形だったので、距離に対する不安さえなければ何
とかなると思っていたが3位に入るのは予想外だった。

 以前からマラソンで世界のトップ相手に戦うにはトラックでの
スピードが必要不可欠と思っていたし、実際にトラックから転向
した瀬古やバルセロナ五輪・銀メダリストの森下広一らだけでなく
ロード出身の宗兄弟や中山竹通らも1万mの記録はトップ10以内
の地力を持っていた。

 実際に日本記録を持つ高岡はシドニーでは1万mで7位入賞した
だけでなく、5000mでも決勝に残れるスピードを持っていたわけで
今回の大迫がトラック出身という事を見ればマラソンで世界と戦う
にはトラックでのスピードが必要不可欠という事が立証された。 

 巷では日本マラソン界の低迷は駅伝が元凶という説があるのだが
個人的には駅伝が悪いのではなくトラックでスピード、ロードでス
タミナを鍛える事なく駅伝に特化したランナーばかり輩出している
事こそマラソン快低迷の原因だし先日引退を表明した柏原竜二など
典型ではないだろうか。

 どうしても実業団では駅伝に特化した練習が主になるのでトラッ
クのスピードを磨くためにアメリカに渡った大迫の挑戦は、大成功
だったのではないかと思うのだ。

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