宝石ざくざく◇ほらあなJournal3

ロシア語をはじめ、外国語学習に関するあれこれを書いておりましたが、最近は…?

ロシアへの入口2

2010年03月15日 | 
さて、ロシア語学習を始めるにあたって、『はじめてのロシア語』(中澤英彦)という新書も読んだ。

ロシア語の特色をざあっと概観できればいいかなという感じだったんだけど、著者のロシア語・ロシア語民族と言葉全体への愛情が感じられてほほえましく、この手の本としては意外なほど(文法説明が大部分なんだけど)読むのが楽しかった。
(覚えて活用するのはまた別の話で…^^;)

初学者の覚え書きとして
(と言っても、ほかの人には全く役に立たない)
・「スミルノフ」という苗字は「スミルノーイ=おとなしい子」という呼び名がもとになっている。→へー、フィギュアスケートロシアペアで川口選手とペアだったのは、スミルノフ選手だったよねー。そんなイメージ。
・「熊」のことを「メドヴェーチ」と言う。(もともと「蜂蜜食い」という意味だそう)→現ロシア大統領メドヴェージェフって、日本だと「熊のはっつぁん」って感じ?
(と私が思っただけで違うのかも…関係ないけど、メドヴェージェフ大統領の誕生日も9月14日だ。私のてきとう占いだと、謀反を起こして天下を取りたいとかは考えないタイプ。そういう意味でプーチン首相の後継者選びは正解かと)
・ヴォズネセンスキーの詩『百万本のバラ』の一説を解説→へー、加藤登紀子のあの歌って、この詩から来てるのね知らなかった。そういえば、学生運動世代の人はロシア語には近しいのだろうな(マルクスとか勉強してるから?)

この本の発行は1991年。ロシア人の性格をよく表すと言われる「ニチェヴォー=どうにかなるさ」という言葉が、90年代のモスクワではかつてほどには聞かれなくなった、と本文にある。
21世紀の世の中では、もっと聞かれなくなってるのかもしれない。
この本でなんとなく感じた、ロシア語のほほえましい雰囲気(動物のことわざがたくさんあるとか)も、今は失われてるのかもしれないなぁ…

ロシアへの入口1

2010年03月15日 | 
引き続き読んだ本の覚え書き

『強権と不安の超大国・ロシア 旧ソ連諸国から見た「光と影」』(廣瀬陽子)

著者の専門はコーカサス地域とくにアゼルバイジャンとのことで、私が漠然と求めていたスラヴ文化のことはなかったけれど、まるっきり知識も何もなかった旧ソ連諸国のことを知ることができてよかった。
著者が私より若い女性ということもあってか、なじみのない内容でも比較的読みやすかった。
本の中のコラムを読むと、著者はかの国々で相当危険な目にあっていてぞっとする。
こんな難しい地域を研究対象に選んだ理由ってなんなのだろう…と思うに、ちらっと、おじいさまが70年代モスクワに技術指導に行っていたと書いてあって、ふーん、そういう前の世代からつながりが無意識にせよ道をつけたりすることもあるのかなぁと思った。
(本書の内容とは関係ないけど、ひとがなぜその専門を選ぶかについてわりと気になるもので…)

それにしても政情不穏な国々のことを読むと、いろいろ問題があるとはいえ日本に住まうことの幸せをつくづく感じずにはいられない。
(政治はひどいと言われるけど、少なくとも挙げられている諸国家ほどにはひどくないと思う。言論は自由だし、信頼性のあるパスポートが得られて移動も基本的に自由)

エピローグの章ではソチ五輪招致の経緯を知ることができた。
ソチって素敵なリゾート地みたいだけど、地理的にはやっぱりなんだか危険な感じ…
プーチン首相みずからが熱心に働きかけて逆転勝利に導いたというのに驚き。