7月にさかのぼるものもあって記憶がもはやあいまいだが、観たテレビ番組の備忘録。
『空白を満たしなさい』(NHK)
なんの予備知識もなく、番組予告で見た阿部サダヲの不気味さにひかれて観てみた。
ドラマ中の台詞に文学っぽさを感じていたら、原作は平野啓一郎の同名小説とのこと。
興味を持って原作も読んでみた。
小説を読んだ後に第5話以降を観た。
原作の世界は損なわず、でも原作よりもより突っ込んだ所もあるドラマの脚色の仕方に感心した。
いちばんは阿部サダヲ演じる佐伯を死なせなかったところで、ドラマの展開上は納得なのだけど、序盤の佐伯がすさまじすぎて、あ、やっぱり普通の人だったのねというあっけなさも...難しいな。
それにしても、「復生者」という設定と、それに説得力をもたせる描写がすごい。
小説の発行は2012年だけど、それを今発掘してドラマ化する眼力もすごい。復生者差別とかコロナ禍を経てよりリアルに感じる。
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『拾われた男』(NHK-BS)
俳優松尾諭の自伝的エッセイをドラマ化ということで、松尾諭を演じる仲野太賀が時々松尾諭本人に見える演技力がすごい。
草なぎ剛と兄弟役で共演と話題だったようだけど、ほとんど出てこないなーと思っていたら、7話以降はがっつりと絡むらしい。(前回見逃し、再放送待ち)
ディズニープラスと提携ということでか、俳優陣は豪華だし、ロケも豊富で全体に資金潤沢な感じがあるが、お金があればいいドラマになるわけではない。登場人物や街や時代に愛情があるところがいいのかな。見方を変えれば、決して美しくなく、しょぼくさえない人物や場面も、みんないとおしく感じられる。
こちらでは脇役なのでことさら言うことでもないのだけれど、『空白を満たしなさい』での迫真の演技に涙していた鈴木杏さんが、普通に元気な芸能事務所社員役でほっとする。あのドラマでの主人公の妻の心情に同調すると、もうほんとうに辛いよ…
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