東京多摩借地借家人組合

アパート・賃貸マンション、店舗、事務所等の賃貸のトラブルのご相談を受付けます。

生協・消費者住宅センターが2月7日に「借地セミナー」

2009年01月09日 | 借地借家問題セミナーと相談会
 今回のセミナーは借地問題の事例を通して、より具体的な問題解決への道筋を、借地人と一緒になって考える場となるよう企画した。

第1部は事例報告に対して、会場からの質疑に答えるかたちで内容をより深める。第2部は個別相談会とし、一人ひとりの相談時間を充分取って対応できるようにした。

◎開催日:2009年2月7日(土)13時開会

◎開催時間:第一部「事例研究」13時30分~15時、

◎報告 ①「更新問題」東借連専務理事 細谷紫朗氏、報告②「建替え問題」住宅センター理事長 久保峰雄氏
第2部「個別相談」15時10分~17時10分まで。

◎会場:東京都生協連会館3階ホール(JR中野駅徒歩6分、丸の内線伸新中野徒歩7分)

◎参加費:無料

◎主催:生協・消費者住宅センター 後援:東京借地借家人組合連合会
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借地の一部を駐車場として貸すことが無断転貸にあたるとされた事例

2009年01月07日 | 最高裁と判例集
 借地の一部を駐車場として第三者に賃貸したことが、無断転貸として契約の解除原因にあたるとされた事例(東京地裁平五・三・二九判決、判例タイムス八七一号二五二頁以下)

(事案)
 Y(1)、(2)、(3)は、X(1)、(2)、(3)から本件土地を賃借して、木造建物二階建居宅を所有していた。Yらが本件土地(約一二五㎡)の一部(約一五㎡)を第三者に駐車場として賃貸したところ、Xらはその中止を求めたがYらはこれに応じなかった。そこでXらはYらに対し、無断転貨を理由として賃貸借契約を解除し、建物収去土地明渡請求の訴を提起した事案。

(判旨)
「本件駐車場部分の面積は一五ないし一八平方メートルで一二ないし一五パーセント程度に過ぎないものであるが、AおよびBの両名との間の契約内容は、いずれも自動車一台の駐車場として賃料月額二万五00 0円ないし二万六000円と定めるほか、敷金、第三者への賃借権の譲渡転貸の禁止等について詳細な条項を定め、賃貸期間について一年間で合意による更新可能としている。民法六一二条が質賃人の承諾なく賃借人が賃借権を譲渡し目的物を転貸することを禁じ、これに反して第三者に使用収益させたときは賃貸人が賃貸借契約を解除することができるものと規定している趣旨は、賃貸者が当時者の個人的信頼関係を基礎とする継続的法律関係であることにかんがみ、賃借人において賃貸人の承諾なくして第三者に賃借物を使用収益させることは契約の本質に反することから、このような行為のあったときには賃貸信関係を継続することのできない背信的行為があったものとして賃貸人において一方的に賃貸借関係を終了させることができることを規定したものというべきである。右趣旨に照らせぽ、第三者に住用収益をさせた対象が賃貸借の目的物である借地の一部であるからといって民法六一二条にいう『転貸』に該当しないということはできない。」

(寸評)
 本判決は「借地上に商店飲食店、劇場等の、不特定多数の顧客の来訪を伴う建物を所有ないし管理する場合」には社会通念上建物の所有又は管理目的の範囲内の利用行為と認められ転貸にあたらない場合もあり得ることを説示している。
 従って、本判決は、駐車場としての利用形態、設置目的、契約内容を総合的に判断する立場も採っている。従前の判例は、無断転貸を認めつつ、解除までは認めないものや、駐車場とする行為が用法違反にあたるとしながらも解除は認めなかったものがあり、様々である。しかし、単なる収益目的のための駐車場の設置は、転貸又は用法違反として契約解除をうけるおそれは充分にあるので注意すべきである。
(弁護士 田中英雄) 東京借地借家人新聞より


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土地の賃貸借契約が、建物所有の目的であるとは認められなかった事例

2009年01月06日 | 最高裁と判例集
 土地の賃貸借契約が、建物所有の目的でないとされた事例(東京地裁平成六年三月九日判決、判例時報一五一六号一〇一頁)

(事実)  貸主の先代は、昭和四九年に、自己所有土地を賃貸した。 借主は、右賃借土地の隣接地を所有し、そこでフォークリフト等の販売・修理等の営業を行い、本件賃借土地を洗車場、更衣室、部品倉庫として使用してきた。 その後、貸主・借主双方は、平成ニ年二月一日付賃貸借契約書を作成した。 その内容は、賃貸借期間一年、自動車駐車場一時使用目的、付帯設備として二四坪以内の既製品プレハブ建物を設置することができるというものであった。 そして、平成三年一一月に至り、貸主は、借主に対し、本件土地賃貸借契約の解約を申し入れて、本件土地の明渡を求めた。

(争点)  本件土地賃貸借契約が建物所有を目的とするものであるか否かである。(判訣の要旨) 裁判所は、『本件土地賃貸借契約に当っては権利金の授受がなく、賃貸借契約書において自動車駐車場の一時使用目的として、設置可能な建物を種類規模を限定していること他方、借主としても、本件土地を洗車場、更衣室兼部品倉庫として利用してきているもので、平成二年の契約の際も、もし短期間で明度を求めるものとすれば多大な経費をかけてプレハブ建物を設置し、賃料の増額に応じることもなかったであろうと考えられ、当然に契約書のとおり契約を終了させる意思でなかったと推測されるが、その反面、本件土地を建物所有の目的で賃借する旨の合意があった事実が認められず、むしろ本件経緯に照らせば建物所有の目的では賃貸しないとの貸主の意図をある程度借主が了解していたものと考えられる。したがって、一時使用の目的とは言い得ないものの建物所有の目的とするものであるとまでは認めることができない。』と判示した。

(短評) 借地上に建物が建築されたとしても、建物所有の目的でないときには、旧借地法あるいは借地借家法の適用がなく、民法の賃貸借の規定が適用されることになる。 建物所有の目的といい得るためには、借地上に建物を所有することが主たる目的になっていることを要し借地を使用する目的が別にあり、これに付随して建物を所有することが予定されている場合であっても、建物所有の目的といえないとされる。 本判決は、従前の借地の利用経過および契約書の文言を詳細に検討した上建物所有の目的でないと判断したもので参考となる。(弁護士 榎本武光)
東京借地借家人新聞より
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「追い出し屋」、実態調査へ 家賃滞納者に強引対応も

2009年01月05日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 賃貸住宅で家賃を滞納した借り主が、家賃保証会社などから強引な手段で退去を迫られる「追い出し屋」被害が各地で相次いでいるのを受け、政府は実態把握に乗り出す方針を決めた。政府が26日に閣議決定した、民主党の藤末健三参院議員の質問主意書に対する答弁書のなかで明らかにした。

 家賃保証業務は監督官庁がなく、宅地建物取引業法や借地借家法の対象外となっており、答弁書では、実態調査を進め、「家賃保証業務の適正な実施に必要な方策を検討する」とした。国土交通省は年明けから、家賃保証会社の契約書などを調べ、問題点の有無を確認する作業を始めるという。家賃保証会社は現在、全国に約100業者あるとされるが、政府は正確な業者数を把握していないとし、現在調査中という。

 非正規労働者らの雇い止めや解雇が続き、家賃を滞納する借り主の増加で被害の広がりが懸念されている。このため、政府は今後、離職者らの居住を確保するための施策を進めたいとしている。(室矢英樹) 朝日新聞 12月26日
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小修繕は借家人が行うとの特約で家主に屋根等の修繕義務を認めた事例

2009年01月05日 | 最高裁と判例集
小修繕は借家人が自らの費用で行うとの特約がある場合に、屋根等の修繕義務を認めた事例(東京地裁平3・5・29判決、判例時報一四〇八号八九頁)

(事案)
 この事件は、築後約二四年を経た建物(居宅)の借家人が原告となり、家主に対し屋根、壁、雨戸など四箇所の修繕を求めたものである。これに対し家主は、借家人の要求する修繕は新築同様又は賃料の三年分の費用がかかり経済的に修繕不能であり、借家人の要求は権利の監用であると争った。
(判決の要旨)
 第一点、「特約」との関係。建物の部分的な小修繕は借家人が自らの費用を負担して行う旨の持約がある場合は、家主の修繕義務を負う部分と借家人が自己の費用をもって修繕すべき部分との調整が必要である。第二点、修繕義務の負担。小修繕に当るものの修繕について家主に修繕義務はな'いが、建物の改造、造作、模様替等建物の基本構造に影響すべき現状を変更する修繕部分は家主の負担すべき義務の範囲に属する。第三点、家主の修繕義務の程度。①築後相応の建物としての使用継読に支障が生じない程度でよい。新築同様の程度まで修繕すべき義務はない。②修繕に多額の費用を要するもののうち、現状のままでも借家人側の受ける損失が小さいものにあっては借家人において現状を甘受すべきであり、家主に修繕義務はない。③借家人側に原因のある部分についても家主には修繕義務はない。④本件においては、二階屋根のセメント瓦のずれないし割れの部分一階便所等の上のさしかけ鉄板葺屋根の部分南側外壁のひび割れ部分、雨樋の損傷破損部分、二階和室天井板の剥離・割れの部分など六箇所について、従前と同品質又は同程度の材料と交換したりして修繕する義務が家主にある。⑤右の家主の修繕は、少なく見積もっても賃料の数か月分を超える費用が必要だが、この程度では修理不能の域に達しているとは認められず、さらに、家主は本件建物新築以来修繕費も支出したことがないというのであるから、今回の支出が- ある程度の額となっても、それをもって賃料との均衝を欠くものということはできない〔賃料との均衡を失するというのであれば、末だ建直しの時期が到来していない本件建物にあっては賃料の増額方法によって調整されるべきである)。

(短評)
 小修繕は借家人が行うとの特約がある場合、それを超える修繕は家主の義務であるが(民法六〇六条一項)、その限界は微妙な場合が多い。また、老朽化の程度によっては物理的にも修繕が不可能だったり、物理的には可能だが賃料に比してあまりにも多額の費用を要するときは経済的に修繕不能とされ、家主の修繕義務はそれだけ軽減又は免除される。事案毎に具体的に判断するほかないが、その一つの判断基準が比較的詳細に示された先例として、この判決の意義がある。
(弁護士 白石光征) (東京借地借家人新聞より)


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追い出し屋、詳細手引き書 弁護士ら「不法行為裏づけ」

2009年01月02日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 家賃を滞納した借り主が、連帯保証人の契約を結んだ家賃保証会社などから強引に退去を迫られる「追い出し屋」被害が各地で相次いでいる問題で、朝日新聞は大手保証会社が作った、家賃督促から退去までの流れを記したマニュアルを入手した。支払う見込みのない借り主についてドアロックや家財処分など、民法などに触れる可能性のある手段で追い出すことを担当社員に指示。弁護士らは「組織ぐるみで不法行為を繰り広げていることを裏付ける資料だ」と指摘している。

 マニュアルは、大阪に本社を置く大手保証会社の内部資料。督促、回収、退去のノウハウのほか、担当者に「家賃督促は法の縛りがない」と説明し、心構えとして「借り主の弱みをつかみ、優位に交渉する」ことを求めている。

 督促については、3カ月以上滞納した借り主は「悪質滞納者」として原則退去とする。1~2カ月の滞納は1週間以内の一括払いを要求。借り主本人、家族ら、勤務先の順に電話連絡する。

 それでも反応がない場合は午後10時以降の深夜訪問を認め、借り主の自宅で直接交渉で回収に乗り出す。在宅か不在かを確認する手段として、玄関前からの電話、電気・ガス・水道の使用状況、近隣住民への聞き込みを進める。

 最後に退去に向け、「追い出し」にかかる。

 借り主が不在の場合は室内で死んでいないか、病気になっていないかを確かめたうえで、玄関ドアをロックする。撤去した家財は倉庫に運び、6カ月間保管。回収できなかった場合は処分し、電化製品などはリサイクル店に売却する。

 賃貸住宅の退去は、明け渡し訴訟を経て強制執行し、差し押さえた家財道具を競売にかけて債権を回収する法的手続きを踏むのが原則だ。ドアロックなどは、民法90条に照らし、公序良俗に反して無効とされる。

 支援団体「賃貸住宅追い出し屋被害対策会議」の木村達也弁護士は、マニュアルについて「一社員だけでなく、会社ぐるみで法を無視していることが明らか。早急に規制しないと被害はますます広がる」と指摘。政府は年明けから家賃保証業務の実態調査に乗り出す方針を決めている。関係者によると、業界内ではこうした追い出し行為を自制する動きが始まっているという。(室矢英樹、千葉雄高)朝日 12月30日
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マンション在庫、5年11カ月ぶりの高水準に

2009年01月02日 | 追い出し屋被害 家賃保証会社
 不動産経済研究所の調査によると、首都圏の分譲マンションの在庫数が、5年11カ月ぶりに1万1000戸超の高水準になったことが分かった。
 11月末時点の販売在庫数は、前年同月を27・9%(2416戸)上回る1万1085戸となった。

 前回記録した1万1000戸超は02年12月の1万1611戸だったがその当時は、「8~9万戸の供給が数年間続いた結果であり、契約も順調だったから業界も深刻な数字とは受け止めていなかった」(同研究所)としている。
 実際、その後在庫は03年からは年々縮小し、05年末には5987戸まで下がった。今回の在庫拡大については、「販売が非常に苦戦していることから、当時(02年12月)とは比べものにならないくらい重い数字」と同研究所では判断している。(住宅新報 12月23日)

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