BB初日の観劇記です……というか、観劇記じゃなくて、感想やレポでもなくて、ただの勝手語り状態
正直、言葉を重ねれば重ねるほど嘘っぽくなる気がするんですよね~~理屈じゃない感性であり、それを人一倍抱えて生きている二人だから。以下、思いっきりネタバレありの「語り」になっていますので、お付き合いいただける方のみ、、、ど~~ぞ
上演は休憩なしの1幕2時間。セットは食べかけの食べ物やゴミ袋が散乱した会社の1室。このゴミ袋やらスーパー
の袋、じいが座ってたのは10列上手だったのでよく見えなかったのですが(オペラは持ってたけど全体が見たかったので結局使わなかった)、前列にいた友人曰く「ちゃんと全部外国の物になってたよ~~普通にコンビニの文字とか出てたらおかしすぎだよね」と
良かったわ…
場面転換はなくて、途中停電のシーンで真っ暗になることはあったけど←ある意味暗転
限られた空間の中で繰り広げられる二人の会話でストーリー、というか二人の間にあった過去が明らかになっていく展開になっていました。
幕が上がり切るかどうかというところから、いきなりウーナの「shock」というセリフから始まります。内野さん演じるレイはネクタイ姿の普通のサラリーマンで、髪は染めた?スプレー??白髪混じりになっていました。歩ちゃん演じるウーナはオレンジ色の半袖ブラウス(最初はトレンチコートを着ている)に黒いミニスカ。足細い~~と思わず見入ってしまったじいは、、、オヤジか
ポスターのどことなく妖艶さが漂う雰囲気のイメージがあったので少し意外でしたね~~髪型はポニーテール。でも、逆にその方が親近感があったというか……後でまたツラツラ書きますが、今回はウーナの立場で思うことがいろいろあったので、ま、いちおう(笑)年も近いということでリアリティがあったように思います。
で、その歩ちゃんですが、冒頭は緊張してたのが丸分かり
立ち姿もぎこちないというか、台本をしっかり読み込んで、演出にしたがって動きをつけてと、とにかく計算されたことを“やらされてるな”という感じがあって……正直「いや~~もしかして恐れていたことが現実になっちゃった?」と
期待と冗談半々で友人たちと観劇話をする度に「二人芝居だからこけたらシャレにならないよね~~それで2時間見せられるのはキツイ」と言っていたんですよね
レイとの会話の間も何だか不自然だな~~と。でもね~~話がどんどん深い内容に突き進んでいく中で、中盤~後半は慣れてきたのか、ウーナの雰囲気がすっごく溢れてて、発する言葉が生き生きしてきました。シアガでも話に出てきた20ページの独白
いや~~素晴らしかった
もちろんドラマや映画ではないので回想シーンが映像として出てくるわけはないのですが、目の前にまざまざと浮かんでくるんです!!!まるで読書をしているような感覚。そしてウーナの隠された感情がジワジワと入り込んできて……公演を重ねる毎に、大変なことになりそうなのですが、進化/深化する可能性は大あり
しっかり見届けたいと思います。
内野さん
期待を裏切らない、いや、あまりに凄すぎて愛が更に深まったわけなのですが……倉石さんの面影はまったくありません
目の前にいるのはレイそのもの!演じている役の男はまぁ同情できない最悪な奴。内野さんが演じられるとどことなく惹かれるものがあって(単に素敵~とかそういうことじゃなくて
)というのが前に感じたことだったんだけど、そういう感情は全然湧かなくて、、、じゃないな~~そういう感情を超えた、もっと本質的、本能的なザラザラとしたものを植えつける男を見せてくださったように感じました←昨日観た感じだけですが
まだ二人の会話の応酬についていくだけで精一杯だったので、言葉が頭に入っていないし受け止めている時の表情や思いまで感じ取る余裕はなかったけれど、じい、堪らなかったのがウーナの独白の時のレイの姿
レイはずっと客席に対して背中を向けて座っていて、時折ウーナの方をチラチラみているのですが、その背中がイイ
良すぎっ
叫びたくなるくらい
まさに物言う背中、レイの今の思い、当時の思いが溢れているんですよ。その背中を見ているだけで15年前のレイの姿を妄想しちゃったりも
いや~~参りました
このシーンはマジ、必見です
レイとウーナの間にあるもの、、、多分その真実は二人の間に存在していて、でも存在してないかもしれなくて、結局は解決することがなくて、ずっと抱えていくものなんだと思います。観る者があーだこーだと解釈することは、15年前に二人を裁いた周囲の人間と同類だと思うし、言葉にすればするほど嘘っぽくなって何の説明にも感想にもならないと思うのよね~~でも、それを踏まえた上で以下、じいの思い
じいはレイのことを汚い人間だとはどうしても思えなかった。最初は動揺したり嘘を重ねてウーナを拒絶するレイも、ウーナがどんどんレイの心を裸にしていくように追い詰めていくにつれて本心が見え隠れするようになる。「他の少女は愛したことがない。君の体だけしか知らない」と言いながらもラストは今付き合っている“カノジョ”=少女が現れる。ウーナへの弁解もラストまで見てしまうと、弁解している瞬間は「ん?コレって本心?」と思わずレイの言葉にじいも言いくるめられてしまっているところはあったんですよ。だから素直に悔しいと思ったし嫌な奴だとも思った。それでも否定できない……いちおう(笑)大人として社会人やってる身として分かるところはあるし、それが大人の抱く恋愛感情の難しさという部分も凄く分かるから。特に、ウーナと関係を持った後に逃げ出す場面の告白……ここでのウーナの気持ちも痛いほど分かるから辛くて、レイが言った「君に覚悟を話すまでには時間が必要だった」という気持ちも分かるからもっともっと辛い。もちろん姑息な言い訳だと片付けることもできる。レイの狡猾さもあると思う。でもそれだけじゃない「深い真実」が存在してると思うんですよね~~大人ゆえに持っているずるさと臆病さと純粋さ……かな
実は、レイ以上にもっともっと激しくて汚いけど美しいと思ったのがウーナでした。これまた思春期に入り始めた女の子が抱く大人の男性への憧れとして片付けてしまったらそれまでだし、ウーナは多分家庭的に恵まれていない?ハッキリとしたセリフには表れていないのですが、ちょっと微妙な家族関係が漂う言葉がチラチラあったので。だから10代特有の家や学校という現実から逃げ出したいだけだったと決めつけることもできるんですよね~~でもでも
これだけはじいは譲れない
大人よりも遥かに純粋な恋愛感情があって、それは遊びでも憧れでもなくて、一人の人間として人を愛する気持ちだと断言できる。でも何げにこういう関係の時って失うものが多いのは大人の男の方だから女の方が大胆に振舞えるから、意識しようとしまいと“そういう計算”がはたらいてしまうのが女の恐さであり強さ。ウーナにもそれが露骨に感じられました。だからこそレイを責められないという部分があるのですが……だから、レイが当時付き合っていた彼女に嫉妬するのも、決して人のおもちゃを羨ましがるのと同じような子供の嫉妬じゃないし、この男と「同じ時代」を生きたいと思って必死にくらいつく。決して男に尽くすとかそういう気持ちじゃなくてね。。。
セリフの中で、すっごく露骨な性表現が端々にあるのですが、それは表面上の過激さではなくて二人の抱える本能的、本質的な心が剥き出しになった1つの“場面”で、この舞台の世界観を感じ取るためには必要不可欠な言葉だと思います。まぁね~~これがあるから15年前の情景がまざまざと浮かぶわけなんだけど、だからこそ、後半に「やる」一歩手前までいってできなかった悲しさが伝わるし、ここでウーナが言った「私、大きくなりすぎたの?」というセリフがあまりにも切なくて
しかもその直後に少女が入ってきて……ウーナの気持ちを思うとやりきれないですわ。そうそう、あと、レイが冒頭で話した今の生活(嘘で塗り固められたものだけど
)で妻がいることを話すところ……これはね~~ホント罪ですから
そんなこんなで観劇直後は放心状態。大変なことになりまして
下りた緞帳が再び上がって内野さんと歩ちゃんが出てきて拍手
いつもなら「初日、無事に幕が上がっておめでとうございま~す」という気持ちをこめて大拍手するじいですが、今回はパチ、パチ、パチ・・・ほとんど息もできない感じで、挨拶もお願いだからしないで!と……実際なくて良かったです。内野さんもまだ体の中にレイが残っていた感じだったし。
いや~~今日1日も何だか悶々とザラザラした何ともいえない気持ちで過ごしたわけなのですが、これはキツイな~~遠征、、、もちろんする気満々ですが、ホント心配になるくらい凄い舞台でした
次回は日にちが少しあきますが、それまでに少し冷静にならなくては。。。就活で気分転換(笑) メリハリを