パエリアはスペインのヴァレンシア地方の名が知られているがバルセロナ辺りのカタルーニャでもさかんに料理されているらしいし国境を超えたフランス南西部でもマルシェでは大きな鍋でパエリアをたいている所に必ずと言っていいほど行き当たる。
パエリアのような料理は料理人ごとに作り方は違うだろうし地域ごとに入れる具も違うのだからそれぞれが違った味に仕上がるのは当然だ。
本家本元のバレンシアでは魚介類や肉類はほんのささやかな量でまさにトマト、サフラン.オニオン、ガーリック、オリーヴオイルなどで炊き込まれた米のうまさを堪能するという事らしい。
これは日本の炊き込みご飯と似ているところもあり納得できる。
ところが今までスペインで食べたパエリアは僕の好みとはちがったものが多かった、
最も出来の悪かったものには米に芯があったり米粒一粒ごとにオリーヴオイルがピカピカ光っているようなしつこい味のものだった。
日本人の口にあったパエリアはやはり日本人だけにしか炊くことはできないのだろうか。
米はヴァレンシア米がなければイタリアのアボリオ米でもいいらしいが三番目には日本米も可能と料理本に書いてある。
1)パエリャは外で食べるべきだ、できる事ならぶどうかイチジクの木の下で。
2)パエリャはお昼に食べるべきだ、正しく作られたパエリャはオイル分が重く夕食には不向きだから。
3)パエリャは鍋からその場でじかに盛りつけられたものを食べるべきだ。
4)そしてそのスプーンはボックスの木からできたスプーンを使うべきだ。
5)食べている時の会話は女のこと(おそらく昼時に木陰でパエリャを食べていたのは男だけだったのだろう)闘牛のこと、
そして収穫のこと、政治や経済のことはいっさい御法度だ。
これらを守れば美味しいパエリアをいただくことができるらしい。
すべてを無視して日本製の電気釜でパエリアを作ることにしよう。