ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

終戦記念日

2019-08-16 09:51:40 | エッセー
 戦争体験があるからこそ、現在の平和が有難いと思う。その日は夫14歳私9歳
だったが、食事をしながらその思い出話をしているとき、友人から電話が入った。
 「今日父が亡くなったの」「えっ!だってお元気だったのに」「どうしても能里子
さんにお話ししたくて、ゴメンナサイネ」と泣きじゃくっている。
「どうして?」思わずもらい泣きしながら聞いたら「昨夜父と夫と3人で飲んで
煮魚が大好きな父は、とっても美味しいと言っていたのに・・・」しばらく泣いて
話せない。93歳のお父さんは一人暮らしだが、とても元気で一人でツアーに参加
したりしていた。その日はタクシーで帰る父を二人で見送ったが、お父さんは
とても楽しそうだったそうだ。

 それなのに早朝電話が入ったのは、そのお父さんが亡くなった知らせだそうだ。
杖を付いていたお父さんは、アルコールも入っていたためか、家に帰り玄関までの
道で転んで頭を打ったのが致命傷らしい。その強い打撃でおそらく失神していたの
かもしれないが、朝5時過ぎに新聞配達の人が、倒れているお父さんを発見し警察
に通報したようだ。でも・・・いくら高齢でも家族に、っては、あまりにも突然で
これほど悲しいことはないと、友人が気の毒でならなかった。「ピンピンコロリ」が
高齢者の理想だが、家族にとってはこんなお別れは大変辛いと思う。
すぐに警察の鑑識に回され、これから解剖されるかかも知れないそうだが・・・
 「お葬式が決まったら連絡してくださいね。気持ちをしっかり持ってね」と
電話を切った。年齢に関わらず人の命の果敢なさは、どうすることもできない、
何とも言えない気分で、また眠れなかった夜だった。

niokit
コメント
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