夫は家にいると一日ベッドにいる、眠っている訳ではないが、まったく刺激が
ないので、私は意識的に夫を外へ連れ出している。今日は下北沢を歩こうと思った。
夫の母の実家は下北沢の駅に近く、昔は農家だったそうだが、また父も世田谷
生まれのため、小学校時代は田舎がなく、友達が羨ましくてならなかったそうだ。
以前も何度か行ったが、認知症のため全く覚えていないので、まだある親戚の家
の通りを歩いても「全然昔と違う、こんなに変わったのだ」と驚いていた。
昔映画館だったオデオン座は分かったが、その傍に踏み切りの傍に、まだ交番があり
懐かしそうに見ていたが、「下北線路広場」は本当に驚いていた。
相変わらず若者ばかりが多く、古着屋が実に多い。しばらく歩いていたら雨が
降り出し、喫茶店に入るつもりだったが、家の窓も全部開け放してきたので、そのまま
まっすぐ家へ帰った。私が結婚した頃とすっかり変わってしまい、昔のような商店が
なくなり、下北沢は、何だかなじめない街になったが、これも時の流れの変化だろう。