夕食後夫は「ああ美味しかった、有難う!オレ寝るね」とベッドに入った。
昨夜の夕食は、サバの干物と、すき焼きの残り汁で煮た高野豆腐、削り節を
タップリかけたモロヘイヤ―のお浸し、減塩の3角チーズ一切れだった。
夫はノンアルビールとビールを飲んで、すっかりご機嫌だった
最近はデイホームへ週1で通い出だしたが、それ以外は全然外に出ないで、ほとんど
ベッドに横になっている。明らかに足を引きずっているし、帯状疱疹の後遺症で右手の
親指に力が入らず、缶ビールも開けられないし、ごみなど重たいものは一切持てなく
なった。以前は洗濯物を干してくれたり、お昼の食器は全部きれいに洗ってくれたが
今は何もできなくなったので、家事のすべては私一人の仕事になった。
これを書いているとき、洗濯終わりのブザーがなり、大きな声で「今洗濯機止まった
んだけれど、誰か干してくれいない!」と、大声を出したが、夫は知らんふりをしている。
それは自分ができないのを知っているからだ。何でも素早く、とてもまめな人だったが。
30年間以上も家事全般を人に任していたのが、今はとてもその経済力はない。
でも、何かするとすぐに「有難う!」と言うし、「美味しかった」と完食してくれる
のが嬉しくて、私は毎日がんばれるのかも知れない。