ビビッド能里子トーク・サロン

医学的にも珍しい満十年の認知症介護について。自己分析や気分転換、幸せを感じる心の癖の付け方、メチャ料理など楽しく書きます

「有難う」「美味しかった!」は魔法の言葉?

2022-07-15 15:38:02 | エッセー

 夕食後夫は「ああ美味しかった、有難う!オレ寝るね」とベッドに入った。

昨夜の夕食は、サバの干物と、すき焼きの残り汁で煮た高野豆腐、削り節を

タップリかけたモロヘイヤ―のお浸し、減塩の3角チーズ一切れだった。

 夫はノンアルビールとビールを飲んで、すっかりご機嫌だった

 最近はデイホームへ週1で通い出だしたが、それ以外は全然外に出ないで、ほとんど

ベッドに横になっている。明らかに足を引きずっているし、帯状疱疹の後遺症で右手の

親指に力が入らず、缶ビールも開けられないし、ごみなど重たいものは一切持てなく

なった。以前は洗濯物を干してくれたり、お昼の食器は全部きれいに洗ってくれたが

今は何もできなくなったので、家事のすべては私一人の仕事になった。

 これを書いているとき、洗濯終わりのブザーがなり、大きな声で「今洗濯機止まった

んだけれど、誰か干してくれいない!」と、大声を出したが、夫は知らんふりをしている。

 それは自分ができないのを知っているからだ。何でも素早く、とてもまめな人だったが。

30年間以上も家事全般を人に任していたのが、今はとてもその経済力はない。

 でも、何かするとすぐに「有難う!」と言うし、「美味しかった」と完食してくれる

のが嬉しくて、私は毎日がんばれるのかも知れない。

 

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夜中に自己分析して

2022-07-15 15:38:02 | エッセー

 昨日ある人達に怒りをあらわにしたが、反省はせず、むしろ相手を責めている自分

がいるのは、およそ私らしくないと思った。このところ過敏すぎる自分に、実は辟易

している。もっとのんびりできたら、鈍感だったら、人生どんなに楽だろう、などと

また夜中に目覚め色々考えた。

「心理のプロとして、夫を絶対に怒らせない介護をしよう」と決心したが、夫は

私に対しては心が広く、寛容で穏やかな人だった。その感謝の気持ちが強いのも、いつも

やさしく穏やかに接したいと思う気持ちをより一層強めた。その結果は「介護度1」

で満10年。松沢病院の主治医の先生は「こんなケースは自分の知る限りなかった」と

おっしゃった。その達成感と同時に、「帯状疱疹」に続いて持病かもしれない「石灰

沈着疼痛症」その時点で「余命2週間」と言われ、緊急入院して10日間あまり。

 退院してから2カ月、まだ足の痛みはあり、手にしびれは残り、家にいるとほとんど寝て

いるが、最近食欲もありとても元気になった。それなのに・・・・私は寂寥感ともどかしさと

怒りが時折交差するのは、もしかしたら「燃え尽き症候群的症状」かも知れない。

 このままでは自分が危ないと感じ、そのための策はと夜中に色々考えている。

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先日の出来事

2022-07-15 15:38:02 | エッセー

 私はあまり睡眠の質が良くない、なかなか寝付けなかったり、夜中に目覚めたり

私が睡眠障害だと感じたのは、15歳の時からだった。

 未だに目覚めてから「ああよく眠った」と感じたのは、長年生きていてほとんど

無いに等しい。暑いのでエアコンをつけて眠るが、夫はそれなのに気づくと戸を

開けていることがある。実はその日もそうで、目ざめた途端に腹が立ったので、朝

からツンツンしていた。認知症なので何度言っても忘れるから仕方ないが。

 デイホームへ行く日で、9時前にお迎えが来るので、ぐずぐずしているので、また

腹が立ったが我慢した。玄関まで下りて行きシューズを履かせて、椅子に座らせて

待ったが、お迎えはいつもより遅れている。「では外へ出ましょう」と、夫を立たせて

一歩歩いたら、何故か転んだ。お迎えの人が着て、仰向けに転がっている夫を二人で

立たせたら、夫は「どこも痛くないから大丈夫」と言って、お迎えの車で出かけた。

 私は後悔した、朝から怒ってツンツンしていたから、夫は転んだのかも知れない。

そんな気持ちを友人に聞いて欲しくて、ランチでもと電話したら「今下高井これか

ら映画を見るの」と答えた。「始まるのは何時?」と聞いたら11時50分、何とか間に

合いそう「私もすぐ行く」と家を飛び出した。映画はドキュメンタリーで、私には楽し

くなかったが、その後ランチしてお喋りして、少しは気分が晴れた。

 ちょっと嬉しかったのは帰りの世田谷線は、私の大好きなピンク色だった。

 

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