私が予感したようにそれからヨーガは「心身の健康に良い」と、マスコミ
でも取り上げられ大ブームになった。そのため、カウンセリングルームを
併設したヨーガ教室は,そのカウンセリングルームも開放してて指導したが
ワンルームでないため、スタッフ3人で指導した。
その頃東宝映画手塚治虫原作「火の鳥」の中で、主役の女王卑弥呼を
演じる大スター高峰三枝子さんに、「大ブームのヨーガを取り入れた舞踏」
を踊らせたいと、監督の市川崑監督から、その指導の依頼があった。
ダンス教師でヨーガの指導者だったが、依頼されたようだがダンスの
振り付けなどしたことがなく、大変戸惑い一度はお断りしようと思った。
それを私が教えていたダンス学校の先生に相談したら、「そんな機会は
滅多にないからぜひやりなさい」と勧められ、先生からそのヨーガ的舞踏
の振り付けのアドバイスを受けた。それを元に「ヨーガ式舞踏」を振り付
け、改めてその依頼を受けた。その後東宝撮影所に何度か通って、高峰
美枝子さんに指導した。体がとても柔らかい高峰さんは「こうしたい」と
言われたポーズがあったが、それはあまりにもヨーガ的ではなく、市川監督
に相談したら「これはあくまでフィクションだから、それで良いですよ」と
言われ、高峰さんの要望のポーズも取り入れ撮影した。
撮影現場で「カット」と拍子木がなりパット明るくなると、本当に美しく
なる高峰さんは、今でも決して忘れられないほどだった。
高峰さんが望んだポーズは、マスコミで取材され、その頃新聞や雑誌の
紙面をにぎわした。
また当時ヨーガ教室の生徒さんだった女優の加藤治子さんも、NHKドラマ
「蛇蝎のごとく」の中でヨーガをする場面があり、そのポーズの指導のため
NHKテレビにも何度か通ったこともあった。
物凄いヨーガブームのため、折角来て下さったのにお断りすることも
よくあり、予約制にすべきかなどと考えていた。
私は忙しい時間を縫って、これからはソシアル以外のダンスも必要と感じた。そのため、その頃流行り始めたディスコダンスを、原宿の「原宿ダンス
アカミー」へ通い習い始めていた。