明日の風

明日は明日の風が吹く。気楽にいきましょう!

良いルール、悪いルール

2013-06-11 07:39:05 | 日記
最近亡くなった左翼系とみられる知識人と15年くらい前、ある月刊誌上で論争したことがあります。
連載中だったコラムによると、特別奨学生を誰にするかの教授会で、あらかじめ決めたルール(成績最優秀者を選ぶ)に従うべきだという法学部の教授にこの人は激しく反発するのです。成績は2番だが、人柄が良くて本当に困っている学生にすべきだと。
皆さんはどう思います? 決めた以上ルールに従わなきゃいけない、これが法律家の大前提です。野球の試合の途中で、このルールはおかしいから‥‥と主張したって誰も取り合ってくれないでしょう。もちろん、長い間にはルールが変わり、来年からは新ルールで、ということはありえます。
こう言えば良かったのかもしれません。私も若かったのですね、憲法9条を例に、あなたの主張はおかしい、決めたルールを都合でいい加減にするのはダメと指摘したら、これが虎の尾を踏んだんです(笑)
法学部の教授(今度は私のこと)は奨学金のどうでも良いルールと、大事な大事な憲法9条をいっしょくたにしていると大変なお怒り。
前号のあなたの主張は憲法だから守る、学内のルールだから守らないということじゃなかったでしょう。ルールに拠ると望ましくない結果だったからでは? 要は、この人にとっては、結果がすべて。自分にとって良いルールは守らなきゃいけないけど悪いルールは守る必要ないということ。もちろん良い結果を出すためにルールはあるのだけど、結果が気に入らないからといってノールールで、と言っていたらそれはルールじゃない。

ルールはなぜ必要なんでしょう。そのひとつは、何か決めるときに誰か個人やグループがときどきの個別的判断で決めるのではなく、あらかじめ決めたルールによれば予測可能だし、決める人やグループの恣意も封じられる。ルールなしで個別に決めるならうまくいくかどうかは決める人や集団の能力・識見次第。ルールを決めておけば100点満点は取れないけど、最悪にはならないということです。
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