明日の風

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国立ハンセン病資料館

2020-11-27 21:47:23 | 時評

前から訪ねてみようと思っていた国立ハンセン病資料館に行ってきました。

人権侵害はどれも許されることではありませんが、ハンセン病患者や元患者、家族への差別ほど深刻なものは少ないと思います。
日本国憲法の制定に伴い、以前の女性に対する参政権や大学教育の否定、治安維持法などによる思想統制、新聞・出版物の検閲、犬死に等しい徴兵、思想犯・容疑者に対する拷問などはほぼ姿を消しました。

しかしハンセン病患者・元患者に対する差別・隔離は、人権の尊重を基本理念とする日本国憲法の下でも続きました。そして、これは自戒を込めて言わなければなりませんが、弁護士や法律家など本来人権に敏感であるべき人々からも指摘されることはあまりなく、患者の隔離を内容とするらい予防法が廃止されるのは1996年を待たなければなりませんでした。
現憲法下でも見過ごされていた人権侵害という点でこの問題は稀有のものと思います。私も気づいたのは、らい予防法が廃止されて、当時の菅直人厚生大臣が患者・元患者に謝罪したときでした。

タイトル画像は、遍路に出るしかなかった母娘像。以下は消防組織です。火事になっても消火に来てくれなかったそう。

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