森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

飯館村の犬たち

2013-04-14 | 動物

       

NHKで放送されたドキュメンタリー「21頭の犬たち ふるさとへの旅」を観た。
2年前の震災により飼い主と離れ、岐阜県のNPO動物介護センターで
保護されている「飯館村の犬たち」が、代表の山口さんの計らいでこの3月
飼い主さんのいる故郷へ12時間かけて旅をした記録。

 

この2年の間には保護された犬たちにも様々な出来事があったという。
13歳の老犬チビは、飼い主さんから届いた新しい首輪をつけられた途端、
これまで滅多に鳴くことがなかったのに大きな声で鳴き続け、その2週間後
老衰のために息を引き取ったという。
その11か月後に、飼い主さんも避難先の福島市で亡くなった。
チビは山で猟をしていた飼い主さんと連れ添う「良きパートナー」だった。

       

当初は「すぐに会える」と皆信じて託したはずが、線量が減らずに故郷へ戻れな
いまま2年という月日が過ぎた。ここから飼い主のもとに戻れたのはわずか4頭だけ。
長い空白の時を愛犬の写真をながめて耐える人も。

 

飼い主さんと会えた嬉しさを全身で表す犬たち
ある人は入院中の病院から外出許可をもらって会いに来た。

 

 

束の間の時間を費やして小屋のあった場所へ連れて行く「クリ」の飼い主さん。
自然豊かな山々に囲まれたその場所で、思いっきりクリを走らせたかった。
けれどもクリはもうそこを故郷とは認めなかった。
犬にとってのふるさとは、飼い主さんが住む場所、飼い主そのものに他ならないと
思い知る。

 

いつも一緒に乗っていたトラックの荷台にうずくまり、クリは動かなくなった。

 

 

それぞれの3時間はあっという間に過ぎ、別れの時はくる。

 

 

 


岐阜に戻り、施設の檻の中で飼い主さんから託された名前入りの敷物にうずくまって眠るコロ。
       

  動物であっても一緒に暮らした家族。会いたいのは同じ。
  けれども飼い主さんたちは遠慮からその気持ちを飲み込んで暮らしている。
  災害時にはいつも後回しにされる動物たちを思うとき、私も心がつぶれそうになる。
  どうか彼らが飼い主さんと一日も早く一緒に暮らせますように。

※できるだけお顔の見えない画像を選びましたが、差し障りのある場合は削除します。
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