森の中のティータイム

離婚を経験し子供達も独立 
暮らしの小さな発見をノートに。

「ノモンハン 責任なき戦い」を観て

2018-08-18 | 思い・つれづれ
8月15日、NHKで「ノモンハン 責任なき戦い」が放送された。
私は先の戦争も知らない世代なので、その少し前に起きた「ノモンハン事件」は聴いたことが
あっても詳細については殆ど知らなかった。決して率先して観たいと思えるドキュメンタリー
ではなかったけれど、録画して少しずつ観た。

   

ネットで検索すると、「ノモンハン事件の真相」として真実と相反する内容の本などが出てくる。
それには「反日が真実を歪めている」などという言葉で、語られていることへの批判と、関東軍
に落ち度が無いということが記されているらしい。

しかしこの越境爆撃は、参謀本部や天皇の、これに反対する意向を無視したものであったことが
関係した参謀たちからの30年以上にわたる聴き取りに加えて、新たな調査からも判ってきた。
150時間以上のテープに残された彼らの証言は、自決を促されて命を落とした特定の中佐や少
佐に全ての責任があったとし、「自分たちには責任がない」という「言い逃れ」が殆どだった。

 

そこには二万人以上の兵士が命を落とした事実に対する反省はなく、時に半笑いのような軽さで
語られているものもあった。 

スターリンの思惑に乗ったのは事実だとしても、日本軍は世界情勢とソ連軍の周到な準備と力を
見誤り、時代遅れの兵器で無謀な作戦を強行したのも事実だった。何と残された薬莢から、それが
明治時代のものだったことも判った。

勝てる見込みのない戦いに兵士を向かわせ、尊い命を奪った愚行は、昨年観たあの悲惨な「インパール
作戦」と共通する。
作戦を指示したり誘導した当事者たちは、多くの命を、ただの「鉄砲の弾(これは辛うじて生き残った
ある兵士の表現)」のように軽んじていたのだ。

 

 

これが「戦争の現実であり、愚かさであることを忘れまい」と、敗戦国であるこの国は肝に銘じたはず
だった・・・。が、戦後からずっと続けられていた夏休み中の「平和教育」が、今は殆どの学校で行わ
れていないという。 これを廃止した思惑は、何なのか。

 

 



 

 

戦争に突き進むことが「勇敢なこと」のように思う人たちは今も多い。政治家の中にも間違いなくいる。
彼らの思惑どおり、この勢いはいつの間にか、静かに密かに「戦争を全く知らない世代」の「疑うことを知
らない(ある意味)純心な魂」に広がり、日本を守るという名目でそうした「戦いに向かう道」を歩もうと
してはいないだろうか。これは私の「単なる杞憂」に過ぎなければいいのだけれど。
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