「無限責任」③
3.11の福島原発事故以後、原発を抱える自治体はその対応に大
きな変化を求められている。もちろん、原発の安全性に対する厳しい
管理を求めていくことだろうが、何よりも安全神話が破綻したことに
よって地元の自治体は再稼働を容認することの責任が増大したからだ。
政府や電力会社は今後「絶対安全」とは軽々に口に出来なくなった。こ
れまで自治体の首長たちはそれだけを頼りに誘致を押し進めてきた。
福島原発の事故はそれら自治体の原発に依存した行政の在り方を根底
から覆した。野田総理は、「立地自治体の同意が得られたので」政府
の責任で再稼働を行うと言った。これは巧妙な責任転嫁である。万が
一の責任はただ政府だけが負うものではない。最大の被害を受ける立
地自治体も同意したではないか。必ずしも安全であると断言できないこ
とは福島原発事故以後は明らかなことで、もしも、福島原発と同様の事
故が起これば再稼働を容認した立地自治体はその責任の一端を負わ
なくてはならない。それは「絶対安全」と聞かされて福島原発事故に見舞
われた自治体とは少し事情が異なる。おおい町民や福井県民はそのこ
とを認識しているのだろうか?
それにしても不思議なのは、最も被害を受けるはずの立地自治体が
再稼働を簡単に容認して、原発から離れたそれ程被害を受けない、
その電力を消費するだけの都市が再稼働を頑なに認めないというのは
いったい何故なんだろうか?言ってることが逆じゃないかと思えてな
らない。
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