ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

オペラ「ニホンザル・スキトオリメ」

2019-02-23 21:29:56 | オペラ
1月27日すみだトリフォニーホールで、間宮芳生作曲のオペラ「ニホンザル・スキトオリメ」を見た(台本:木島始、指揮:野平一郎、
オケ:オーケストラ・ニッポニカ、セミ・ステージ形式、日本語上演、日本語字幕付)。

野平一郎と言えば、もうだいぶ前、誰かの伴奏で素晴らしいピアノ演奏を聴いたことがあり、それ以来、好きなピアニストの一人だ。
この人が、その後指揮もやるようになった。
今回は、彼の師である間宮芳生の90歳記念ということで、1965年の初演以来54年間一度も再演されたことのないこの大規模な作品を上演することになった由。

舞台はニホンザル一族の王国。誰よりも美しく誰よりも賢い女王ザルは、自分の美しさも権力も永遠のものにしたい、と強く願っている。家来のサルたちも、サルの
民衆も、みな女王の言いなり。そこへ、権力と民衆たちの真の姿を見抜いて描きつくそうとする一匹の絵かきザル「スキトオリメ」が登場して…。

前半はなかなか哲学的な内容。目に見えるものと目に見えないものの対比など。
後半、イヌたちと猿たちとの戦いでは、一転して世界は滅びの様相を呈する。特にパイプオルガンによって描き出される炎の地獄のシーンは、まさに広島・長崎
の原爆の惨状を目の当たりにする凄まじさ。

いつも書いているように、評者には現代音楽はさっぱり分からないが、パイプオルガンの響きには胸を打たれた。
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