福島第一原発の「いわゆる」工程表
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110417d.pdf
について。
これだけだと、気づきにくいんだけど、
別紙1:福島第一原子力発電所・事故の収束に向けた道筋 1(PDF 21.0KB)
http://www.tepco.co.jp/cc/press/betu11_j/images/110417b.pdf
をみると、ゴール指向っぽい書き方になっていることに気づく。
たとえば、
①安定的に冷却できている
とか
④ 安定的に冷却できている
のように、「~ている」という書き方は、ゴールの「状態」をしめしたもので、ゴール指向のハードゴールは、このように、状態をあげる。
さて、ゴール指向では、ここのハードゴールのほかに、「早く行う」とか「安全に行う」とかいった、評価の基準となるソフトゴールも挙げた上で、詳細化していき、その際、ソフトゴールの達成度をチェックし、とりうる手段を決めていく。
ただこの手法では、「手段の達成が必ずしも保証されてないし、手段を全て達成したら、ゴールが達成できることも保障されていないこと」が問題となる。
たとえば、「瓦礫の撤去」と何気なく書いてあるけど、「瓦礫の撤去は可能なのか?」という事には触れていない。
瓦礫の撤去が可能になるには、
・大気中の放射能が抑制されていて、作業が可能なことと、
・放射能を含んだ瓦礫を廃棄する場所があること
なんだけど、「大気中の放射能が抑制されている」ことは保障されていない。つまり、作業場所は、高濃度の放射能だったりすると、作業できない。から、先にすすまない。ってことになる。
廃棄する場所があるか?どこにあるか?もかかれていないので、場合によっては、廃棄する場所が遠くにあり、そこまで放射能が漏れないようにいろんなことをしないといけないかもしれない。
ちなみに、これを行うにはまず、
・何らかの方法(空気清浄機みたいなの?)で、作業場所の放射能を下げる
・廃棄場所を確保し、捨てるまでの道路を確保する
というのが必要なはずなんだけど、それが抜けてしまっている。
ゴール指向分析だと、こういう、前提が抜けやすい。
その結果として、一生懸命がんばっているけど、壁が越えられないで、作業が進まないということになりかねない(というか、今なっているように見える)。
工程表に書かれていることは、今やっていることで、これだけを一生懸命やれば、目標達成できると東電さんは、思っているけど、実際には見落としているってことが、ありそうな気がするなあ・・・
福島原発は、国家的な危機なのだから、もし、ゴール指向使って計画立てているなら、その道のプロにチェックしてもらえばいいのに・・・?
・・・ってか、そもそも、この工程表って、原子力関係のプロがチェックしてるのかなあ?なんか、東電さんが、一生懸命、自分たちだけで考えて作ったっぽい気がする・・