ウィリアムのいたずらの、まちあるき、たべあるき

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DNAがJ-POPで普通にでてくる昨今、政府は日本とアメリカのコロナワクチン開発の差をもっと真面目に語ってよくね?

2021-04-17 15:01:57 | そのほか
(「DNAがJ-POPで普通にでてくる昨今」のほうが知りたい人は、この記事の下から見てね!」


 「ずとまよ」さんの歌のタイトルや歌詞にDNAやATPが普通に出てくる昨今、もう、DNA,RNAの知識は国民に普通にあるんだから、政府はもちょっと真面目に、数字を出して科学的に(^^;)日本とアメリカのコロナワクチン開発の差を説明してくれてもよくね?と思う。

日本とかメリカのコロナワクチンの開発の差は、
・トップ(安倍元首相とトランプ元大統領)の政治判断の差
が決定的にあるんだけど、それ以上に
・おかれている状況が違う
ということから起こる。
*ごめん、おかれている状況の差については、このエントリで書ききれなかった。別の機会で書く。簡単に言うと、感染者数の違いから第三相のやりやすさの違いがあるという話。



■その前に復習。コロナを「ワクチンなど」で防ぐには、どうすればよい。

 まず、ワクチンで防ぐというのの基本的な考え方は、
 ・ウィルスが入る(ここではコロナ)
 ・そうすると、それに対する抗体が反応して
 ・反応すると、免疫系が働いて、ウィルスをやってくてくれる

 ならば、ここで、抗体を体に入れれば、いいじゃんとなり、
 この治療法は「抗体カクテル療法」で、トランプさんが受けた治療

 じゃ、みんな。「抗体カクテル療法」にすれば…という人は、
 トランプさんの演説を真に受けすぎている。
 たしかにトランプさんは、「そんな社会にする」みたいなことを言ったけど、実際には、お金がかかりすぎるし、そんなに抗体も作れない。

・ということで、抗体を作る元を体に打てばよい!ということになる

ここで考え方2つ。

・考え方1
 抗体はタンパク質。このたんぱく質はm-RNA(メッセンジャーRNA)をもとに作られる。
 1-1)じゃあ、m-RNAを体の中に入れれば、よくね?

 さらにさらに、m-RNAは、DNAから転写される、

 1-2)じゃあ、コロナの抗体のDNAを体の中に入れれば、よくね?

・考え方2
 いやいや、m-RNAすべてを送り込む・・・
 そんな難しい話しなくても、コロナにかかると抗体できるから、
 コロナを体の中に入れればいいじゃん。
 といってもコロナが発症するとまずいから

 2ー1)コロナが発症しないように処理加工したものを入れる。

 2-2)いやいやいやいや、
  コロナが入ると、抗体ができるんだよねえ。この抗体を作らす元
 (ここではコロナ)を抗原というんだけど、
  この抗原の反応する部分(スパイク部分)を、
  安全な病原体(ウィルス)に運ばせれば(ベクター)、
  なんかできそうじゃね!


1-1)が、RNAワクチン
 かなり昔から研究されていて歴史があるが実用化は、コロナの
 ファイザー、モデルナなど

1-2)が、DNAワクチン
 理屈の上ではそうなのだが、実際には効きにくかった。
 ところが、その効果の点を向上する技術をアンジェスが開発した。
 なので、日本のアンジェス、大阪大がこの分野のトップであり、
 やっと第三相まできた

2ー1)が、不活化ワクチン
 従来からのワクチンの作り方で、ほかの病気では、実績多数。
 なのだが、大量生産するには、不向き
 中国のワクチンがこれにあたる。

2-2)が、ウイルスベクターワクチン
 イギリスのアストラゼネカのワクチンや、
 ロシアのワクチン、スプートニクがこれにあたる。

 中国のワクチンが開発されたのに、貧しい国以外、先進国が使っていないのは、中国のワクチンが不活化ワクチンで・・・(以下自主的に省略)
 ロシアのワクチンは人気ありそう

評判の悪い中国製ワクチン 一方、「二流扱い」されてきたロシア製ワクチンは高評価
https://news.livedoor.com/article/detail/19736098/


 このことを前提に、アメリカと日本の差にすすむ



■アメリカはRNAワクチンで、開発先行のイメージ

 アメリカのワクチン政策は、トランプさんのワープスピード作戦により、
 第三相試験に多額の投資をし、また、RNAワクチンの研究はアメリカでは進んでいたので、結果として早くなったといえる。

 今回のファイザーのRNAワクチンは独ビオンテックが開発してるけど、
 このビオンテックの創業者は、トルコからの移民で研究熱心であり、
 このワクチン自体の考え方も変わっていた。

 こうした異質のものを受け入れる素地がアメリカにはできていた・・・

新型コロナワクチン「スピード開発」の舞台裏…ファイザーとビオンテックはいかにして先陣を切ることができたのか
https://answers.ten-navi.com/pharmanews/19777/


 ってことも言えるけど、やっぱ、トランプさんが「ワープスピード作戦」
のように「変に平等にこだわるのではなく、傾斜して必要なところに、
必要なものを与える」というようなことが、功を奏した感じ。




■日本は、RNAワクチンの開発経費を削った

 上の話に関して、アメリカ・ドイツはRNAワクチンの開発(基礎的研究)が進んでいたことがわかるけど、
 じゃ、日本は?というと RNAワクチン開発の経費は2018年に削られていた。

 安倍前政権の反知性主義が「国産ワクチン開発遅れ」の元凶
 https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/287972


 の「1」面めの、後半を見てね。

 で、今更第一三共がやっても、当然今からでは遅れているわけで、まだ、1・2相

ワクチン開発と見通し
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00223.html


 アンジェスが地道に?研究してきたDNAワクチンは、アメリカではまだまだだけど、日本は、第三相まできているので、これは世界的に見てトップランナーといえる

 上にあげた、「ワクチン開発と見通し」にあるように日本は傾斜せず、
あらゆる方式に(不活化ワクチンも含め)研究投資をしている。

つまり、
  世界的に基礎研究がしっかりしていてトレンドなRNAワクチンに傾斜するのでもなく、
  日本がすすんでいるDNAワクチンに傾斜するのでもない、

ある意味無策な政策をとったため、現状、実用化までこぎつけていないということ



■まとめると、日本とアメリカのワクチンの開発の差は

 日本のワクチン開発は
  RNAワクチン  研究費にブレーキをかけたため、世界から遅れた
  DNAワクチン  日本世界的トップ!
  不活化ワクチン 従来のワクチン。大量生産できるのか?(中国は作ってるけど…以下省略)

 という形で、たしかに「日本は科学が進んでいる」というように、DNAワクチンでは進んでいる。

 日本が遅れているように見えるのは、

基礎研がしっかりしていて、世界のトレンドだった、m-RNAを使ったワクチンに
   トランプさんは、アクセルを踏んで、研究を加速させた
   安倍さんは、  ブレーキを踏んで、研究費を削った

 という2人の政策方針の違いからきている。

 ここを突っ込まないで、「日本はワクチン後進国で遅れている」とか乱暴な議論をするから、せっかく、日本はDNAワクチンが進んでいるのに、その芽をつぶしてしまう・・・



■では、アメリカ絶対有利なのか
  - 政府は一つのレトリックを使って、あえて触れていないことがある。

 でも実は、アメリカもRNAワクチンだけでなく、ほかのワクチンも研究している。
 J&Jのワクチンはウイルスベクターワクチンで、これもいい線来ている。

「ジョンソン・エンド・ジョンソンの新型コロナワクチンは他のワクチンとどう違うのか?」など4つの質問に専門家が回答
https://news.livedoor.com/article/detail/19773750/



 なぜ、RNAワクチンができているのに、ほかのワクチンを開発するのか・・・
 ・・・それは、ある日突然、副反応がある!といわれて使えなくなったらこまるから。

 ここで、「副反応」という言葉にレトリックがあるの、みんなお気づきだろうか?
 「ずとまよ」ファンの人には、、曲のタイトルにDNAが出ているくらい、この分野に詳しいからすぐに気づくだろうけど、政治家の人とかヒット曲が「銀座の恋の物語」(*)だと思っている人もいそうな気がするので、コメントしておくと…

 遺伝子操作をしない従来の不活化ワクチンにおける副反応は、たしかに
 打った時に、死なないかなど、その場の安全性が副反応の対象になる。

 しかし、遺伝子操作を行ったワクチンの場合、上記の安全性のほかに、ワクチンの遺伝子が体内に残って、DNAを書き換えてしまう可能性はないか?という問題もある。
 もし、書き換えてしまって何か起こったら、これも副反応だけど、
この副反応はすぐには出てこない。
 書き換えた細胞が細胞が精子か卵子で、その細胞をもとにできた子供が大きくなって異変に気付いて・・・何十年もかかる。だからすぐには、問題はわからない。

 で、これは、従来「ない」とされていた。セントラルドグマというやつで、
RNAからDNAを書き換える可能性はありえない。とされていた。

河野大臣もこの立場をとっている
https://www.taro.org/2021/02/%ef%bd%8d%ef%bd%92%ef%bd%8e%ef%bd%81%e3%83%af%e3%82%af%e3%83%81%e3%83%b3.php

 ところが、HIVウィルスはRNAからDNAを書き換える。
逆転写酵素というので、書き換え可能になる。

 つまり、m-RNAの「逆転写酵素」があれば、DNAが書き換え可能になるかもしれない…
 ってことになると、一挙に社会問題で、遺伝子書き換えを嫌う人たちは、ワクチンを接種したがらなくなる。実際にそれが起こらなくても、風評被害というやつが起こる可能性もある。

 …で、ここで、大変な論文が出てきてしまったのだよ!

 たしかに、RNAワクチンの使っているm-RNAの逆転写酵素はまだ見つかっていないのだが、コロナのRNAが逆転写するかも?っていう論文が出てきた!

SARS-CoV-2 RNA reverse-transcribed and integrated into the human genome
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/33330870/


英語大変なので、以下の解説記事。

mRNAワクチンは恒久的にDNAを改変してしまうのか?ハーバード大とマサチューセッツ工科大の研究より
https://note.com/roughride/n/nd150f9b29294


RNAワクチンが絶対安全かどうかっていうことは、政府レベルでは安全って言い切ってるけど、科学レベル、心情レベルではわからない。

ということで、RNAワクチンにもし決定的な問題が見つかった場合のためにも、ほかのワクチンの研究・開発が必要なのだよ・・・


*「銀座の恋の物語」 政治家の人たちの時代は、銀座で若い2人が会うっていうこと、あったかもしれませんけど、いま、銀座なんかで会っていたら、小池さんから「東京には、来ないでいただきたい」と怒られてしまいます。
 あ、そういう話ではなく、この歌の注釈ですね。石原裕次郎さんが、独身最後の夜にレコーディングした曲です(つまり、結婚式前日に録音)



■おまけ、DNAがでてくるJ-POPとは

 このあと、第三相がアメリカと日本でどれだけ大変かということを数字を出して書こうと思ったんだけど、
もう、めちゃくちゃ長くなってきたので、別エントリにして、表題の件


「DNAがJ-POPで普通にでてくる昨今」を片付けて、このエントリ(=記事)を終わりにする。


・まずその前に、一般的な知識。

 DNA,RNAはATPとともに、ヌクレオチドというものに属する。
 ヌクレオチドっていうのは、リン酸+糖+塩基がくっついたものをいう総称

  DNAは、リン酸1つで糖がデオキシリボース(塩基はATCGの4種類)
  RNAは、リン酸1つで糖がリボース(塩基はAUCGの4種類)
  ATPは、リン酸3つで糖がリボース+塩基がアデニン→アデノシン
  ADPは、リン酸2つで糖がリボース+塩基がアデニン→アデノシン

 ヌクレオチドのうち、DNA、RNAは複数つながって、生物の細胞の核の中に入っている。この核の中に入っている、ヌクレオチドがつながったものが、核酸。

参考
高校生物基礎「3つのヌクレオチド DNA RNA ATP 」
https://www.youtube.com/watch?v=OlI7aQkRGjg


・「ずっと真夜中でいいのに」の場合

 DNAは、「眩しいDNAだけ」という曲のタイトルにでてくる 
 ATPは、「勘が冴えて悔しいわ」の歌詞の中に出てくる(ATP受け渡す)
 RNAは・・・出てこないよね、たしか

で、これをまとめたヌクレオチドは、5月15日、16日に行う、
ライブ
のタイトル(「温れ落ち度」と書いてヌクレオチド)

 DNAやATP(つまり、「眩しいDNAだけ」や「勘が冴えて悔しいわ」)のMVの、映像はsakiyamaさんが手がけている


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