そうだ、人月単価の話してたんだ。
で、最近、新入社員の初任給が30万っていう会社が出て来たってことだけど、
月給30万払うためには、その人を1人月単価いくらに設定するのが妥当か、
っていう話をしたい。
この話をすると、ソフトウェア業界だと初任給30万のきつさがわかると思う。
【月給→人月単価(1):まず、この人1月に支払う金額を求める】
まず、この人にたいして、会社が1月(ひとつき)に支払う金額を求める。
月給額面30万っていた場合、30万はもちろん払うけど、
このほかに、会社がこの人にはらう社会保険料が必要になる
(この人自身が支払うべき社会保険料と税金は額面30万の中に入ってる)
この会社がこの人に払う社会保険(雇用保険とか・・・)は、↓
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【社労士監修】会社が従業員の給与を決める際に考えなければならないのが社会保険料の負担額。社会保険料は会社と従業員それぞれが負担する必要があるためです。現在の料率...
にあるけど、15%くらい。なので、この人にひと月にかかるお金は、
この社会保険料を足して
30万X1.15=34.5万→約35万
【月給→人月単価(2):この人に年間支払う金額を求める】
この35万円を12倍して年間かかる額・・・となるわけではない。
ボーナスがある。
ボーナスを4か月分として、16か月分が、年間にかかる額となる
35万*16=560万
【月給→人月単価(3):この人が年間いくら稼がないといけないか求める】
会社はこの人から560万稼いでもらえばいい・・・
わけじゃない。560万しか稼がないと、会社経費もでないし、
営業さんにも給料はらえない。
じゃあ、いくら稼いでもらえばいいのか・・・
これには、会社と、この人の取り分の割合がわかればいい。
この人が受託だった場合、6掛けが業界標準?
つまり、会社4割、この人が6割とる。
派遣なんかの場合、この割合は「マージン率」とよばれる。
マージン率は公表されている。
マージン率30%という場合、
会社の取り分30%、この人の取り分70%になる。
ソフト開発派遣の場合、マージン率は30%くらいが普通。っていうのも
プログラムを設計・実装する技術者を派遣する場合、
会社は研修とかもあるし、
営業も紹介するのに手間かかるし・・・
仕事が割り当てられず、待機なんてものあるし
有給必要。最近は育休まであるし・・・
なんだかんだで、会社取り分は大きくしないと、やっていけない。
ということで、マージン率30%がふつう。↓
※派遣会社は、ボーナスのある社員と、ボーナスなしの12月均等社員がいる。↑は均等社員の計算だと思う。今ここで扱ってるのは、一般正社員の場合なので、16か月にしてる
マージン率30%とすると、この人の取り分70%=560万になるので、
この人が稼がないといけない金額(=100%)は、
560万÷0.7=800万
年間800万、この人に稼いでもらうことになる。
【月給→人月単価(3):年間稼がないといけない金額÷12=人月単価】
お客さんに請求するのは、ボーナス時は多くするとかできない。12か月均等なので、年間に稼がなければいけない金額を均等に割る。
800÷12=66.66・・・→67万
ってことで、額面30万のひとは、1人月単価67万請求することになるのよ。新人初任給を額面30万にしてしまうと、会社としては単価67万請求・・・は、相場観からすると高いので、抱き合わせとかになる。
で、抱き合わせる場合なんだけど・・・
・・・って、ここから先が話したい話なんだけど、
書き出すと長くなるので、また今度
*おまけ 額面と手取りの割合
額面30万から、税金と社会保険料が引かれる(=手取り)と書いた。
ちなみに、この額面と手取りの割合だけど、
手取りとは?額面との違いや計算方法を解説【早見表あり】 - あしたの人事オンライン
手取りとは、会社から支払われる給与や賞与全体から各種税金や保険料などを差し引いたものです。 給与・賞与から税金や保険料を差し引くのは給与計算業務の1つです。手取り...
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には、75%~85%くらいと書いてある。そんなもんだと思う。
中を取って80%とすると、
30万*80%=24万・・・そんなもんでしょ。