青少年なやみ相談室

相談室だより

vol45 「いけてるハート」で新年を

2012年02月23日 18時06分05秒 | 相談室だよりvol.41~50
 今年の新語・流行語大賞が決まり、トップテンが新聞に掲載されていました。

 「 ○ゲゲゲの~ ○いい質問ですねぇ ○イクメン ○AKB48 ○女子会 ○食べるラー油 ○ととのいました ○~なう ○無縁社会 」 など 

 この中に、青少年のみなさんが考えたものが入っていましたか?あるいは、かすった、とか。私は「イクメン」を見つけてうれしくなりました。分からないこともありました。アンテナが高くないんだなぁ、と反省しました。

 選考委員会特別賞には、早稲田大学野球部主将として活躍した斎藤佑樹さんの言葉が選ばれたと紹介されていました。東京六大学野球で50年ぶりとなる早慶の優勝決定戦を制した後のコメントで、
「何か持っていると言われ続けてきました。今日何を持っているかを確信しました……それは仲間です」と言った言葉が。
なんとすがすがしい言葉のことか。思わず大、大、大拍手を送りたくなりました。
昨年、岩手のエース、菊池雄星投手が泣きじゃくりながら、「……もう、一生投げられなくなってもいいから(この仲間のために)投げたかった……」と言ったのを思い出しました。
大学生と高校生の違いはあっても、仲間と共に一生懸命打ち込んだものの精神は同じだな…と。

 今年1年が終わろうとしています。みなさんの1年はどんな1年でしたか?たてた目標をほぼ達成したぞ、と結構満足点を出せる人もいるでしょうし、まぁまぁの人、或いは不満足、全然ダメだった…という人もいることでしょう。ザンゲの反省も大事です。
何事も体で体験したものは貴重です。次への力になるのですから─。
区切りは大事です。プラス思考で総括してみましょう。そして新しい年に向けて、私のウサギ年の目標は「これだ!!」というのを決めましょう。

 打ち込むものに出会い(見つけ)、一生懸命汗を流して打ち込むことのできる若者になってほしいなぁ…と。心にも体にもいい汗をたくさんかいて頑張っている若者をみるとそれだけで嬉しくなり、元気が出ます。
ある程度年をとってからの汗は、概して「ひやあせ」という種類の汗が多くなるものです。ですから大人は、青少年の「すがすがしい汗や涙」に感動するのです。
青少年のみなさん!
プラス思考で、アドレナリンを沢山出して新年を迎えましょう!!

  * 子ども論語塾の安岡さんの話によると 
        「仁(じん)イコール、いけてるハート」
        「いけてるハートとは、思いやり・やさしさのあるハートのことだ」と。  (2010年 12月)  

                                                             

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vol.44 たいへんよく できなくても いいんです。

2012年02月23日 17時49分09秒 | 相談室だよりvol.41~50
 暑い時は「暑いのはダメ。寒いのはまだいい、着ればいいんだから・・・。」などと言っていたのでしたが寒くなると「やっぱり、寒いのはだめ、体も心も縮こまる・・・」ということになります。勝手なものです。

 某新聞社の新聞を開いていたら、何十年となく見慣れた「たいへんよくできました」の桜の花マークのハンコがド~ンと目に飛び込んできました。
あれ・・・なんだ・・・とよく見たらそのハンコの中に書いてある言葉は、「たいへんよくできました」ではなかったのです。
 これはなんだ、とその全面広告を読んだら、日本新聞協会広告委員会実施の「新聞広告クリエーティブコンテスト」の結果発表の記事だったのです。

 「元気」をテーマに実施したというこのコンクールの最優秀賞として出ていた桜の花マークのハンコ。そのハンコの中の文言は「たいへんよく できなくても いいんです。」だったのです。
題は「元気にさせるハンコ」。そのハンコの右下の隅の方には「元気であれば、いいんです。」の コメント。目からウロコ、でした。

 子どもの頃、ノートや作品についてもらい喜んでいた桜の花マークのハンコ。大人になり仕事として、子どもをほめ、励ますためについてきた見慣れたハンコ。
 今は「なんでも相談」を受けながら、こんなに生きにくいような世の中なのにめげずによく頑張っているね、えらいね、と声をかけたい心境にあるので、ドン、ピシャリ「たいへんよく できなくても いいんです。」のハンコに感動したのです。

 桜の花マークの「元気にさせるハンコ」の他の入賞作品4点も甲乙つけがたくそれぞれ味のある素晴らしい作品でした。下の方に審査員の講評が載っていました。この講評にも感心しました。
「右肩上がりが難しい現代社会で、価値観をどこに持って行くか。最優秀賞の『元気にさせるハンコ』はすべてが100点満点である必要はなく、物差しはひとつではないというメッセージを出しています。」と。
また、別の審査員は、「競争社会へのアンチテーゼ、掛け声よりも暖かい肯定」が元気になる元ではないか・・・と。

 同感です。
思春期で、もがきながらも今を生きている青少年のみなさんに、「たいへんよく できなくても いいんです。」の大きな桜の花のハンコをついてあげたいです。
元気であればいいんです・・・。元気が出ない時があってもいいんです・・・と。   (2010年 11月)

                     

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vol.43 「わたしの主張」

2012年02月23日 16時27分30秒 | 相談室だよりvol.41~50
あつい、あつい、あつ~い夏をどうにかしてやり過ごした青少年のみなさん、「お疲れ様」でした。9月ももう終わり……2学期も佳境に入って部活に勉強に頑張っていることでしょう。
 
 9月に入ってから、中学生の「わたしの主張」の各地区大会で入賞した生徒の紹介と発表要旨が
日報紙上に紹介されていました。紹介された発表題と要旨を読んだだけでも、「子ども達えらいなぁ~、こんなこと考えているんだ……」と感心してしまいました。
 思春期というむずかしい時期にありながらも、身近なことから問題意識をもち、そのことをちゃんと自分の言葉で表す。
「書く」ということは、周りをよくみるということ、自分のことを考えるということ、今まで気付かないで過ぎてきたことにも気付くチャンスがあるということ等々たくさんの学びが凝縮されていることだと思う。
 代表にならなくても、取り組んだそのこと、自分の考えたことを自分の言葉でまとめたそのことに価値があると思うのです。

 第12回 わたしの主張岩手県大会のプログラムから発表題を紹介します。
                    (9月24日、花巻市立石鳥谷中学校会場で開催)

 1.北上地区   一人ひとり違っていい
 2.北岩手地区  最高の家族
 3.一関東地区  気づくことからはじめよう
 4.盛岡西地区  世界はひとつ
 5.釜石地区   明るき村をきずきなん
 6.遠野地区   中学時代、それは心を磨くとき
 7.会場地推薦  新しい自分へ
 8.紫波地区   どうせ枯れる花ならば
 9.一関地区   つながる
 10.水沢地区   高齢化社会を生きる
 11.盛岡東地区  何気ないひと言
 12.下閉伊北地区 ぬぐいなぁ
 13.気仙地区   たった一つの命だから
 14.久慈地区   大切なもの
 15.宮古地区   謙虚にひたむきに己を磨く
 16.二戸地区   心の輪をつなげて
 17.江刺地区   心をつなぐ挨拶
 18.花巻地区   生まれてきてくれてありがとう

 岩手の中学生すごい!皆さんも、自分だったらこのような題でこんなことを言いたいかも知れない、と考えてみるのもいいかもしれませんね。秋の夜長に……。  (2010年 10月)
                                    

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vol.42 ただいま、夏休み中

2012年02月23日 15時59分04秒 | 相談室だよりvol.41~50
  「おう、なつだぜ おれは げんきだぜ……」と、かまきりりゅうじくんのように、自分をはげましつつ……頑張っていますか? 
それとも…、「今は、休憩!夏休み!」といって休憩していますか?

 考えてみれば、今まで一心不乱に駆けてきたのですから休んであたり前ですよね。よく、「忙しい」とは心をなくすことだと言います。
確かに、「忙」という字は「心」が「亡」、「心が死ぬ」となります。心が死ぬと、周りが見えなくなります。
自分だけが苦しいと思い、周りの人の大変さや思いやり、やさしさにも気がつかず、知らず知らずのうちに殺伐となるものです。
戒めてはいるものの、私もそのような状態に陥りがちなので、よ~く分かります。

 ですから、いくら若いといっても365日何時でもピ~ンと張りつめてがんばることなんて出来ないことですから、休んでいいんです。
親は何時でも頑張っている、息子、娘を見たいでしょうけど、「そんな……、スーパーマンでもスーパーウーマンでもないよ」と、ゆっくりすることがあったっていいのです。
そうすると、自分を振り返り、休み明けの元気や集中力に繋がると思うのです。

 頑張る時と力を抜く時を判断して試してみて下さい。きっと、まわりのことが見えるようになりますよ。
休み中に、あなた達子どものために一生懸命頑張っているお父さん、お母さんの姿もちゃんと見ることができるかも知れません。

    


やるぞ                           えへん!

          かまきりりゅうじ                      くりのみしょうへい

                                                    

 ねぼうばっかり してられない                くりばやしに ねころんで

「けいかくてき」に ならなくちゃ                はなうた うたってたら
   
 そこでまず ぼくは                       しごとがえりの

「けいかくひょう」をつくる                    ありんこが

 けいかくを たてた                       「きみ かしこそうな

                                    あたまのかっこね」
 
 やるぞ!                             といった

                                    ・・・

                                    ふっふっふ

                                    おれ あしたから しゅくだいやろうっと

                           

 計画表をたてる計画から始まった夏休み……ですよね。充実した夏休みでありますように──。  
「きみ かしこそうな あたまのかっこね」と、ありんこのような声がけをしてくれる友達、大人が沢山いるといいね。         (2010年 8月)

                                   ─ 詩の出典 くどうなおことのはらみんな「のはらうた」より─

                                     

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vol.41 「かまきりりゅうじクン」からのエール

2012年02月23日 15時27分54秒 | 相談室だよりvol.41~50
    おれはかまきり

                   かまきりりゅうじ



  おう なつだぜ おれは げんきだぜ

  あまり ちかよるな おれの こころも かまも

  どきどきするほど ひかってるぜ

  おう あついぜ おれは がんばるぜ

  もえる ひをあびて かまを ふりかざす すがた

  わくわくするほど きまってるぜ         



 ラジオが好きでよく聞いています。
5月の末の「日曜訪問」(NHK)のインタビューで、詩人の工藤直子さんのお話を聞きました。「のはらうた1」に収録されている「おれはかまきり」の朗読を聞いて、
「わあ~っ、このかまきりりゅうじクン、思春期真っ只中のかまきりだ……。中高生の男の子を   代弁している……」
と、感激してしまいました。

70歳を過ぎているという工藤直子さんが、思春期真っ只中の中高生の気持ちになりきって朗読していることにも感激しました。
ドスをきかせ、いかにも屈折しているような声で、「オレはかまきり、かまきりりゅうじ。セブンティ-ンだぜ、屈折してるぜ…」と前置きしての朗読でした。
すっかり工藤直子さんという詩人に魅せられて、その日のうちに本屋さんに走りました。

 そして、「のはらうた1~5」に収録されている「かまきりりゅうじクン」に大いに共感しました。また、この詩集にすっかりはまってしまいました。
2008年発行の「のはらうた5」のかまきりりゅうじクンはもう大人になっていました。1984年発行の1集から5集までは24年間経っていました。

青少年のみなさん、夏を前にして、ちょっとやる気がなくなった時や、めいってしまった時  など、かまきりりゅうじクンになりきり、声に出して読んでみてはどうでしょう。  



   でっかいこころ

 
   おれ ちびだったときも こころは、でかかったぜ

    おきにいりの はっぱのかげで むんっ!と むねをはり

    ちびちびのカマ    ふりあげてたぜ

   おれ つらいときもあったけど   こころは でかかったぜ

   たくさんの なつのひびが   がんばれ がんばれ がんばれと

   はげましてくれて    おれは しっかり いきてきた

   ゆさゆさと からだをゆすり    さんかくの かおをかたむけ

    おおきくなった   カマをふりふり

   おれ しみじみ かんがえる   おれ よくやった

   おれ たいしたもんだ   でっかいこころを ささえにして

    おれ いっしょうけんめいだった        

   そうだ いつも    「でっかいこころ」

    おれのなかにあり    おれの ほこり!        



 発展途上人のみなさんを応援していますよ。屈折していることがあったって当たり前。
たまにエッチなこと考えたってちっともおかしくないよ、普通だよ。みんないろいろなこと経て 大人になっていくんだから……。      (2010年 7月)



  - 掲載詩は くどうなおことのはらみんな「のはらうた1」「のはらうた5」より -                 


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