6月の相談室だよりで紹介した「アドラー100の言葉~なりたい自分になるための心得~」(監修 和田秀樹:宝島社)の中から、特にお気に入りの言葉を2つあげてみます。アドラー心理学を理解するだけではなく、ぜひ実生活に活かしてみてはいかがでしょうか。
☆ベストを尽くす。そして、葉っぱが落ちるべきときは落ちるにまかせる。
「~だからできない」と言う考え方では、前には進めません。アドラーは、人間が環境や状況などの要因に宿命づけられているといった、運命論的な考え方に反対でした。運命論は、あれこれもっともらしい理屈をつけて、未来にについて悲観的になりがちでいる言い訳を人間に与えます。そうではなく、等身大の自分で今やれることを精一杯行うことが大切だと、アドラーのこの言葉は語っています。結果は誰にもわかりません。ただし、やらなければ何も始まりません。
☆馬を水飲み場へ連れていくことはできる。しかし、馬に水を飲ませることはできない。
職場でも学校でも、人に教える際に大切なのは、相手が自分で課題に取り組めるようにすることです。手際が悪いからと、何から何までやってしまうことは、本人のためにはなりません。他人がしてあげられることは、上の文のように馬を水飲み場へ連れて行くことだけです。親も上司も教師も、ある程度までフォローすることはできます。でも、そこから先、水を飲むかは本人次第なのです。
「アドラー100の言葉~なりたい自分になるための心得~」より抜粋
うまくいかないことを、まわりのせいにしていても、何も解決しません。まわりに意見を求めるのは良いですが、最後にどう行動するかは自分自身が選び、自分自身がやれることを精一杯やる。その先にきっと「なりたい自分」が待っているのではないでしょうか。