遊民ヤギ爺

俳句と映画のゆうゆう散歩

榛の花

2023-02-18 16:19:55 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年2月18日(土)

榛の花 : 赤楊(はんのき)の花、はしばみ

カバノキ科ハンノキ属の落葉高木、高さ1~20m
中には、30mもn大木もある。

早春、葉が出る前に細長い円柱状の暗褐色の雄花を木枝から
下向きに垂れ下がり、黄色の花粉を出す。

これは前年の秋に出来た莟(つぼみ)が、冬を越したもの。
古名は「はりの木」の音便形。はんは「榛」の字を当ててい
るが、これは山野に自生する同類の落葉低木「ハシバミ」の
漢名である。
日本では北海道から九州、沖縄まで至る所に分布する。
朝鮮半島、台湾、中国東北部の東アジアにも分布している。

榛の木は低地の湿地や沼沿いに自生する。 湿原などには
森林を形成することもある。
近年では水田耕作の放棄された地に繁殖している例もある。

榛の木の葉は有柄で互生し、長さ5~15cmの長楕円形
または長楕円卵形。葉の縁は浅い鋸歯がある。

葉の寿命は短く、春先に伸びた若葉は6月頃には次々に、
緑色のまま落花するようだ。


花期は11月から翌年4月頃で、葉に先立ち単純花が付く。
雌雄同株で、枝先に円柱形の雄花穂が1~5個垂れ下がる。
雌花穂は楕円形で紅紫を帯び、雄花穂の下部葉腋に1~5
個つける。

10月頃に松かさ状の果実が1~5個付き、熟すると長さ
15~20mmほどになる。小さな実は翌年の春迄残る。
未熟な果実、
十月頃に熟す、
熟しきった実、

榛の木が密生する地域では、花粉による喘息発生の恐れが
在り、注意が必要である。

榛の木は良質な木炭の材料となる。材に油分が含まれ生木
でもよく燃えるとのこと。
また、葉の中には根粒菌から窒素を多く含み肥料木となる。
軟質の材質は家具や器具に多く使用される。
樹皮や果実は、褐色の染料として利用される。
また抗菌作用があり、消臭剤として効能があるとされる。

榛の木は、地味な樹木であるが、様々なカタチで存在感の
ある樹木、、私自身、榛の花を余りよく知らなかったが、
吟行の折り、句仲間から教えられることが多い、、、。


今日の1句

閑散の道うなだれて榛の花  ヤギ爺

飛騨高山、祭山車会館

2023-02-17 16:36:47 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年2月10日(金)

飛騨高山、祭屋台会館

高山市街散策中、街の西部に在る「桜山八幡社」へ、、
八幡社の大きな鳥居を潜り直ぐ左手に、高山祭屋台会館」
の案内表示が在り、早速家族で訪れる。

此処は高山祭に曳き出される山車の実物(23基)が常設
展示されている。


春の高山祭りは「日枝神社」の例祭、対して秋の高山祭り
は「桜山八幡社」の例祭が執り行われる。
屋台と呼ばれる山車を曳いて街を巡行する事から、京都の
「祇園祭」、埼玉の「秩父夜祭」と並び、日本三大曳山祭
の一つとされている。

高山祭屋台会館は、1960年(昭和35年)に高山山車
(23台)重要有形民俗文化財に指定された事から、その
後1968年(昭和43年)に桜山八幡社境内に竣工し、
山車23台を通年で見られるようになった。

飛騨の国は、古く大和朝廷へ毎年匠を送り出して、奈良の
都の寺社仏閣の建築に従事し腕を奮っていたようである。
飛騨の匠は長い伝統技術が受け継がれて、江戸時代になり
高山祭の屋台を造った。(国指定重要有形文化財)
この屋台会館では、年3回(3月、7月、11月)屋台の
入れ換えを行っている。




私達が訪れた2月には、

大八基(車輪直径1.56mあり、大八と呼ばれている。)


宝珠台(棟飾りには雌雄の大亀を乗せ、屋根を和紙と漆で
    軽量化、高山祭屋台で最も美しいとのこと)


行人台(人家が無かった頃、この屋台に行者が住み、それ
    以来人家が建つ様になり、屋台に行者を祀った)


神 輿(日本一の大神輿で重さ2.5t、担ぎ手は80人
    を擁する。神輿の精巧でも日本一といわれる)

以前、会社の慰安旅行で北陸へ行った際、帰路で高山祭
を見学した。秋の大祭の折りで、大勢の見物客の後から
遠目に屋台を眺めていたのだが、、、、、、

今回の旅は2月、まだまだ寒い時節であるが気を付けれ
ば蕗の薹が顔を出し、木の芽は膨らみ春の気配は着実に

今日の1句

浅き春山車揃ふ日の待ち遠し  ヤギ爺

春浅しは、早春とほぼ同じ季節感であるが、春浅しの方
が語感が柔らかく、表現でやさしく感じられる。

黄 梅

2023-02-16 16:31:41 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年2月16日(木)

黄 梅 : おうばい、迎春花


キク類モクセイ科ソケイ属の落葉小低木
中国原産で、高さは1.5mくらい。

早春に葉に先駆けて鮮黄色で先端が六裂した合弁花が咲く。
形がやや梅の形に似ていることからこの名がある。

江戸の寛永(1630年頃)時代に中国から伝来した。
観賞用として庭木や盆栽などにされる。
葉は深緑色の長楕円形で、枝は細長く蔓の様に伸びる。

茎の若い部分は緑色で四角く、上部は垂れる。
ジャスミンの仲間とされるが、芳香はない。

中国(漢)名では「迎春花」、英名では「ウインター・ジャ
スミン」と呼ばれ、あたかも春をいるかの如く思わせること
からそう呼ばれているようだ。

2月下旬から4月頃にかけ、葉が出る前に梅に似た高杯形の
黄色の花が垂れ下がり、蔓状の枝に咲く。

実はならないので挿し木か、株分けをして増やす。



黄梅の花を乾燥させ、水で煎じて生薬として服用する。
解熱や利尿に効能があるそうだ。
また、葉も飲む、塗るなどして腫物、おでき、切傷等に効能
があるとされる。


俳人の名句

黄梅や子供みくじを婆がひく   板谷 芳浄

春の雨、

2023-02-15 16:47:36 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年2月15日(水)

春の雨、街歩き
「春の雨」は、2月の始め頃に降る冷たいあめのことをいい、
2月の終りから4月にかけて降る雨は「春雨」と、区別して
いる。春に降る雨は自ずと静かな雨を思わせ、しっとりとした
風情が漂っています、、、。

初春とはいえまだ肌寒く、時には雪の降ることもある。
今朝の高山市街は積雪はなく、何となく心地よい。
宿を出て、早速朝市に出掛けた。


高山陣屋横の真っ赤な中橋を渡ると川沿いに朝市が立つ。

宮川の朝市、店主とのやり取りを聞きながら進むと中程に
右衛門横丁という処がある。

中には小さな店が集中している。野菜や赤蕪の漬物を買い、
猿ボボ等の民芸品や小物の店が並ぶ。

通り抜けると、角地に「飛騨牛あぶり焼きの店」、

孫達が並ぶ、、、、、

古い街並みが続く上三乃町筋に入る。

飛騨牛にぎり寿司の店の前にかなりの人が集まる。孫達は
飛騨牛あぶり寿司、、続いて串焼き、コロッケと、、、、
私達は中程右手に在る甘味処で、白玉善哉を頂くことに。


古い民家の前の犬遣らい、その全面に細い用水路が流れ、
小雨の降る静かな街並みを歩く。


この通りには、老舗の食べ物屋、味噌店、酒店、雑貨屋、
煎餅屋、凸凹堂?、蕎麦屋、、蕨餅屋等々、、、、





蕨餅を土産に、

暫くすると、、通りの外れに古民家のような歯医者、、

冷たい春の雨も気にならず、、暫し吾街の喧騒を忘れる。


今日の1句

出格子の杉玉濡らす春の雨   ヤギ爺

歌詠鳥

2023-02-14 16:01:02 | 鶴舞公園へ行って来ました
令和5年2月14日(火)

歌詠鳥 : 鶯の副題

鶯は、スズメ目ヒタキ科の漂鳥
春告鳥の名があるように春を告げる、日本人に最も親しまれ
また古来から詩歌にも詠まれている代表的な春の鳴禽である。
雀ほどの大きさで暗緑褐色いわゆる鶯色で、下面は白色。

その鳴き声は地鳴の「笹鳴き」(冬季)に始まり、梅の咲く
頃「ホーホケキョ」の第一声を「初音」と称して珍重する。
また巣の縄張り近くに現れた外敵を警戒をして、ケキョケキ
ョケキョ」と何度も繰り返すのが「鶯の谷渡り」という。
春を過ぎると「老鶯」(夏季)となり、繁殖のために山へ。
繁殖を過ぎ地鳴に戻るのを「鶯音を入る」(夏季)という。
「ホーホケキョ」を「法法華経」と聞き做(な)して「経
読鳥」ともいう。
他に「春告鳥」「匂鳥」「春鳥」「歌詠鳥」などの異名が
多く、それだけ昔から日本人に愛されてきた鳥といえる。




よく「梅に鶯」と言われるが、その多くは「梅にメジロ」
が多い様である。

ウグイスとメジロの違い、、

俳人、夏井いつきさんの著書「絶滅寸前季語辞典」に「歌
詠鳥」の記述がある。

【 歌詠鳥:うぐいすの副題。  
古来、詩歌に多く詠まれてきた鳥であることからの命名か。
或いは歌を詠むごとくに鳴くという鳴き声に対するネーミ
ングか、 そこのところはよく判らないが、いずれにしろ
これだけ沢山の季語バリエーションがある鳥は「鶯」以外
にないだろう。 冬の間は「笹鳴」と愛でてもらい、春先
に聞こえてくる第一声は「初音」と大喜びされ、夏になっ
たらなったで「老鶯」と慈しんでもらえるのだからシアワ
セな鳥だ。
同じ副題でも「春告鳥」「花見鳥」は季節の気分が伝わっ
てくるし、「経読鳥」はホーホケキョと法華経の語呂合わ
せだろうと想像はつくが、「黄粉鳥」なんて呼び名がある
のに驚いた。なんで餅に付ける黄粉と一緒にされなくては
いけないのかと。鶯に代って憤ってやりたくなる。
それにしても「歌詠鳥」と「黄粉鳥」が同じものを指して
いるなんて発想が大胆。このギャップのあるネーミングを
面白がってるのが俳人の習性である、自分こそがこのギャ
ップを詠み分けてみせようなんて思うのがカナシクも俗な
俳人根性である。】



俳人の名句

さしのべて歌詠鳥の山河かな 
黄粉鳥とはワタクシのことですか   夏井いつき

(夏井いつき著:絶滅寸前季語辞典 より引用した)