ショット

見えないものを見る 感じたことを写真と文章でつづる暮らしと自然のフォト日記

水石ワークショップ

2013-11-18 08:22:23 | 鑑賞


その種類がなんであれ ひとまとめで石としか言ったことがない
なのに水石ワークショップに参加した 石の形を楽しむもの

座りが良くて左右の構えが良く奥行きのバランスも良いもの
それに色や形肌なども加わるから奥行きが深い楽しみかたがある

石を鑑賞する歴史は古いが信仰対象の石は鑑賞石とは言わない
利休により盛んになった抹茶道で茶席飾りで盆石が使われた

その後愛石家として造園家で茶人の小堀遠州など外すことはできない
さらにその後黄檗宗禅師隠元が伝えた煎茶道と同時に愛石家が広めた

明治36年5月初めて水石の言葉が盆栽雑誌の広告欄に掲載された
水石は 室内で鑑賞され 手に持てる大きさ 色は濃いほうが良い 

一個の自然石が主体 詩的創造力を働かせるもの
家や船の形や分様でも違和感のないものなら良い

一個の水石を飾ることで自然が身近になり人の心を慰め静めてくれる
自然の中での石探しは 最良のストレス解消法で健康増進の趣味でもある

人工的に手を加えたものではないので芸術性はないと言われるが
自然の中から愛石家が美的感性により発見し選択する審美行為と

選択された石の美をさらに高めるために水盤や台座で卓に飾り
書画などを飾りあしらい石をくわえた美的空間は芸術行為と考える

などの講義を聞き皆は展示した水石の鑑賞 私は始まる前に見た


岡本知高コンサート

2013-09-23 10:40:51 | 鑑賞


あれは6月の初めだった「隣町で岡本知高コンサートがある」
「楽しいから是非どうぞ」と 誘ってくれたのはピアノの榎本潤さん

大谷康子さんのコンサートの終わった後 ロビーでの会話
発売日にチケットを求めてこの日を待った 岡本知高ソプラニスタコンサート

開演前に榎本さんを訪ねて朝日園の川根紅茶を差し入れ 開演を待った
会場が暗くなり コンサートステージ中央に置かれたピアノが浮かび上がった

燕尾服の榎本さんが速足で登場してピアノ位置に座りすぐに演奏が始まった
続いて 大きな体に満願の笑顔で岡本知高登場 火の鳥のような衣装

そして唄い出して この世のものとは思えない声にドキモを抜かれた 
マイクなしで会場に響き渡る男性ソプラノ あれは人間ではなく機械か

普通男性の肺活量は3000~4000ccなのに
岡本知高は 13000もあるというから驚きだ

裏声ではなく巨大な体型が生み出す男性の女声
大きな体型と高音のギャップを楽しむと自らが話した

トークも上手で 心やさしい人柄がにじみ出ている
生のステージは80%は衣装を楽しむとも話した

休憩後は宇宙服のような衣装にもなった最後に高貴な色のむらさき
3種類の衣装も見れた これらには名前がついている話も面白かった

榎本さんの演出も楽しい 地元の合唱団とのコラボ「旅立ちの日に」
並んだ小学2年生は岡本知高の衣装の中に入ってしまいそうなくらい

国立音楽大学講師でもある榎本さんの観客への歌唱指導も良かった
この日はツアー最終日といい感極まり声を詰まらせる場面もあった

それがまた客に感動を与え 目頭を押さえている観客もいた
大谷さんのコンサートで榎本さんを知り 岡本知高を知る

誘いを素直に受け入れて 巡り合った尊い感動
妻も感動して来年の大井川町のコンサートにも行きたいようだ


映画「三姉妹~雲南の子」

2013-09-09 10:14:12 | 鑑賞


母は家を出た 父は出稼ぎ 中国の雲南省の村に暮らす幼い三姉妹
その子どもをひたすら映し出す 上映時間2時間33分バック音楽はない

あるのは マイクが拾う風の音 村人の声 子どもの声
監督は収容所の過酷な現実を写しだした「無言歌」のワン・ビン

仏・香港合作ドキュメンタリー映画中国映画でない事情は定かでない
ボロボロの服 穴のあいた靴 家畜の世話をする子どもたち

妹の世話をする長女の大人顔と ときどき見せる幼顔
感情を抑えて無表情 静かに時に強くひたすら生きる

ときどき咳をするのが気になる 病気だなければよいが 
雲南にいるかのような気持ちですべて見てやると言う野望で眠ることなく見た

が単調だったのか隣の席からはイビキが聞こえてきたり途中退出者もいた
中国の寒村を見ると 同じだった日本の昔を思い出し自分の姿をそこに見る

ワンビン監督の次回作構想はすでにあるようだ 長江上流歴史と現実
現実を映し出し伝えるカメラ それを後世に残す 監督は良い仕事だ

三姉妹予告は→ http://www.youtube.com/watch?v=11a65y1efPM


映画「少年H」

2013-08-26 18:00:14 | 鑑賞


原作の妹尾 河童にさほど良い印象がないので見るのはやめよかと悩んだ
が 俳優が水谷豊だったこととロケが市内の新金谷駅なので見た

どこまでもやさしい父親役の水谷豊は予想どうり良かった
少年役も妹も可愛い子だったし 原田泰三も良い 

「はだしのゲン」を読んだばかりなので戦争の悲惨さは劣る
いつもきれいなスーツ姿の父親 他人にも気遣う母親

妹尾河童の妹は可愛く両親はこんなにも優しい人だった
そして私H少年は正義感に満ちていたと云いたかったのだろう


落語 古今亭志ん輔

2013-08-21 10:16:05 | 鑑賞


気分次第で早々に終わってしまう噺家もいると聞いているが
古今亭志ん輔に限ってはそんなことはない三席たっぷり伺った

志ん輔さんがテレビに出ていたころからだいぶ経ち 今は60歳の還暦
島田には最近3年連続来てくれているので もうおなじみになった

枕話から本題に入る業も見事で 酒 汁粉 モツ焼 などの顔芸で楽しませた
そのあとに続く本題の酔っ払いの話「変り目」にすんなりと入っていく

「変り目」は 家の玄関先から人力車に乗り 移動せずに降りる酔っ払い
使いに出たと勘違いして 女房を誉める所で終わり オチが2回

2席目「七段目」歌舞伎かぶれの若旦那 何をやっても芝居のせりふ
小僧の定吉と忠臣蔵の七段目を演じる 熱が入って真剣を抜く若旦那

あわてて逃げて二階から落ちる定吉 どこから落ちたか七段目
歌舞伎のセリフがさすがにうまい

3席目「唐茄子屋政談」遊びが過ぎて勘当させられた若旦那が唐茄子を売り歩く
そこで出会った母子を助け 勘当から解かれる「情けは人のためならず」という美談

限られた時間で三席だと1話が短くなるのは仕方がない
1席目の「変わり目」 おでんを買いに行くまでの下りも聞きたかったし 

女房が使いに出た後に 主人はうどん屋を呼び止めお燗をつけてもらう
そのお燗の変わり目まで演じないと 演題も理解できないがそこまでは時間が足りない

この日は昼間は鈴本演芸場に出演されてからこちらに駆けつけた
三席とも熱演で 90分間観客を楽しませてくれた 古典は好い