手筒花火で雨に降られ 敷いていたセサミストリートのシートを頭からかぶって祭典会場を後にした
パトカーの警官が怪しい人物を発見したかのように見るが すぐに花火帰りと納得したようだ
夕食はカレーうどんで済ませたが 時間も経っている 居酒屋も体験したい
ホテルでもらった地図を頼りに小雨の繁華街をさまよった
白いビニール傘の黒服達がたむろう間を通っても 呼び止められもしない
アーケード街は この前と同じように若者が多い 立ち飲みの店など魅力だが通過
ズボンも濡れてきたが着替えは持ってこなかった ずいぶん歩いてくたびれた
ホテルに戻って傘を借りて濡れたままの服で 近くの店へ向かった 「いきち」
少年の様な店主が優しく迎えてくれた 広い部屋を案内したがカウンターを希望した
カウンターも広くそこに二組の客がいるかのように見えたが 鏡だ
隣の 夫婦でない男女が飲み終えたのか 何も頼まずに話に夢中だ
声が知人に似ていたが そんな偶然はない別人だ
二人は傘がないのか 小雨を見計らって勘定を要求した
女が支払うといって財布を出した 男は「大丈夫ここは私が」
といってすかさず1万円札を出した 女は財布を引っ込めた
2階にも部屋があるのだろう 若者グループが甲高い声で叫びながら降りてきた
私は ハイボール2杯で心地よい酔いになった ホテルは近い
部屋の壁にまだ濡れているズボンを掛けた 朝には乾いていた