思い立って、東京・深川の芭蕉の遺跡を訪ねた。あの「おくのほそ道」の旅立ちの地。先ずは、地下鉄大江戸線の森下駅から徒歩7分の芭蕉記念館で「おくのほそ道」関連の資料や芭蕉直筆の書簡や句短冊などを見学。その後、記念館の小庭園より隅田川沿いの遊歩道に出て、展望庭園へ向かう。ここには芭蕉の像があり、冬陽にきらめく隅田川を眩しそうに眺めている。すぐ近くの芭蕉稲荷が芭蕉庵のあった場所とか。<居を深川のほとりに移す(「柴の戸」)><深川三股のほとりに草庵を侘びて(「寒夜の辞」)>など書いているところだ。今や300年後の土地事情、最初に舟を乗り込み進めた小名木川から隅田川、清洲橋などの水景で往時を僅かに思い描いた。
<舟の上に生涯を浮かべ・・・>(「おくのほそ道」序章より)
芭蕉愛蔵の石造の蛙が見つかって
ビル群林立も変わらぬ水の流れ